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***
「お疲れ様でした」
「北山さん、お疲れ様です。送って行きますよ。」
「あ、ありがとう。今日藤ヶ谷と飲む約束してるからさ、藤ヶ谷のマンションにお願いしてもいい?」
「承知しました。って、珍しいですね。」
雑誌の取材が終わると、挨拶をし、マネージャーと共にさっさと帰宅準備を始めた。
早く太輔に逢いたい。
その一心で。
「あのさ。この時間でも空いてるケーキ屋さん知ってる?」
あまり甘ったる過ぎるのは得意ではない。
甘味より肉。シンプルに肉が好きだ。
しかし、今日は物で解決…と言うか。
何かを太輔に贈りたくなったから。
甘いものを笑顔で頬張る太輔を見たい。
甘すぎって文句を言いながら。一緒に二つの味をつつきたい。
チョコレートケーキと。ショートケーキ。
二人で分け合いたい。
「ありますよ。偶然この間、友人に頼まれて僕も調べたことありまして。結構美味しかったですし」
「そこ、連れてってくれない?」
「ふふ、藤ヶ谷さんにお土産ですか?」
「…悪い?」
「全然」
マネージャーとやり取りをする自分は多分気持ち悪いぐらい笑顔でいっぱいだろうなと思う。
マネージャーもどことなく引いてるのが分かる。
ケーキ屋に着くと勝手に味を決める。
コンサートの演出でもしたような。黒と白。
チョコレートケーキにも種類がたくさんあって。
吟味して目を凝らす。ビターなチョコケーキもいいな。そんな俺を見て、マネージャーは笑い出す。
「そんなに真剣にケーキを選んでる北山さん違和感があり過ぎなんですけど」
「うるさい。で!オススメは?」
マネージャーのオススメもゲットしケーキをいくつか選ぶと足早に車に戻る。
そして太輔のマンションへと向かってもらう。
マンションに着くと別に包装してもらったケーキの箱をマネージャーに差し出した。
「えっ、」
それを見て暗闇でも分かるぐらいビックリしてるマネージャー。
「今日の口止め料」
「・・・!ありがとうございます」
そう言いながら、手からケーキの箱を受け取るマネージャー。
なんでだろう。
満たされてると、この幸せをお裾分けしたくなってしまう。
笑顔で受け取ってくれるマネージャーにこちらが御礼を言いたいぐらいだった。
「お店、教えてくれてありがと」
そう言って、助手席のドアを閉めた。
太輔が待っている部屋に帰れる幸せを噛み締めながら。
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もも(プロフ) - スケベ面さん» スケベ面さん はじめまして!お話読んでくださりありがとうございます!中編が見えないのですね<(_ _)>すみません、フラグを立てていますので年齢の関係かと思われます。大変大変申し訳ございません(><) (2018年7月11日 6時) (レス) id: 5b51068866 (このIDを非表示/違反報告)
スケベ面(プロフ) - 前編を読ませていただきましたっ切なくて続きが見たいのですが作者様の全作品を見させていただいたのですが前編後編しかありません(><) (2018年7月10日 8時) (レス) id: 909d98024f (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - ふじみつさん» ふじみつさん 終わってしまいました(´・・`)本当にご覧頂きありがとうございます!ハラハラさせてすみません<(_ _)>疲れますよね!笑 こちらこそ幸せを感じて頂けて光栄です。本当にありがとうございました! (2018年6月3日 1時) (レス) id: 5b51068866 (このIDを非表示/違反報告)
ふじみつ(プロフ) - あ〜〜終わってしまいました。ずっと切なくてハラハラして。。藤北玉の3人の純情が苦しくて幸せを祈りながら読んでおりました。2人が幸せになれて本当に良かったです!こちらまで幸せになれました。ありがとうございました。次のお話しも楽しみにしております! (2018年6月2日 23時) (レス) id: c46653f4f4 (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - ぶぃ〜さん» ぶぃ〜さん 久しぶりにリアルな二人をご覧頂いたんですね!恐縮です。ありがとうございます!お話に入り込んで頂けたなんて嬉しいです(/ω\)本当にこちらこそありがとうございました! (2018年6月2日 20時) (レス) id: 5b51068866 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もも | 作成日時:2018年5月27日 14時