空回り三角形【朱桜司】【完】

彼の心 ページ32

A)知らない！！






朱)離れようとしないでください





彼の手首を離して距離を取ろうとするが、彼のそれを許さなかった。
すぐさま私の手をつかみ、引き寄せられた








朱)…私の気持ちを置き去りにされては困ります







A)…それは私も同じだよ








背中に回された彼の腕に驚き肩がはねた









朱)私の事が嫌なのに…どうして抵抗しないのですか







A)っ…







朱)どうして、嫌な男の胸に頭を寄せるのですか








A)うるさい…








朱)フフッ。やっと私も見れました、貴女のそのmode








A)前から結構朱桜君の前で発動してたけど…








だって朱桜君の行動、言動が原因だもん






それは胸の内にしまい、ムスッとしながら言うと
片方の手で彼は私のほほに触れだした




愛おしそうに笑みを浮かべながら






…りまちゃんが好きなくせに、なぜこんなことするのか私には理解できない









朱)…好きな女性が他の男に甘えてるのを見て、喜ぶ男がいるとでも？








A)…え？









聞き流そうとしてい彼のセリフに耳を疑った







今…今なんて…？







思わず彼の顔を凝視すると








朱)…あまり見ないでください…






そういって肩におでこを乗せられた
彼の吐息がくすぐったかった








朱)私のheartは前々から貴女に奪われておりましたよ…A









初めて彼の声で呼ばれた





自分の名前






私はまた泣きたくなった







A)なんで…なんで、そういうことするの
…わ、たしだって…ずっと前から





朱)！







A)っ…好きだよ…つ、かさくん









朱)！…やっと名前で呼んでくださいましたね。
こんなにもうれしいだなんて…相当私はあなたが好きなようです






司君はぎゅっと抱きしめてる力を強めた




私はそっとその背中に腕を回した

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