フラグ84 ページ45
今回も探偵社の皆さんが色々処理をしてくれたらしく、学校でも特に面倒なことはなかった。
本当に大変だったね、と眉を下げた担任を思い出す。
あんなことがあっても普通に学校に行けて、こうやって受け入れてくれて。
Aは感謝と心配をかけたことの謝罪でいっぱいだった。
「次の授業移動だよね?」
「うん、急ごう!」
壮絶な体験をしたせいか、いつもの校舎も、教室も、授業も、特別なものに見える。
周りの人と話をしたり、普通の日々を送ったりすることの価値に気づいて、少しずつではあるがクラスメイトと話すようになった。
本当は、どこかに隠れて静かに過ごす方が安全なのかもしれない。
関係を持たなければ狙われることもないし、体質のせいで誰かを厄介事に巻き込むこともない。
だけど、それだけでは取りこぼしてしまうものがある気がしていた。
「なんかAちゃん最近元気だよね」
「そうかな?」
「うん!顔色とか、前とは全然違うよ」
友人が笑う。その笑顔が嬉しい。
実際、体の調子は良くなっていた。
以前までは慢性的な頭痛や倦怠感に悩まされていたが、今はかなり改善されている。
一方で、Aは何かが蠢いているのも感じていた。
それは学校や探偵社からの帰り道。
夜に沈みゆく街を眺めていると沸き上がってくる、不穏であり、新鮮であり、恐怖であり、歓喜である何か。
今のAにはそれが何かまではわからない。
そんな時、Aはただ静かに決意を固めて、街に吹き抜ける風を聞いていた。
.
1068人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
花岳(プロフ) - チョコレヰトさん» ひゃーー!お褒め頂き光栄です......!ありがとうございます。相変わらずだらだら更新していくと思いますが必ずや完結させてみせますので!応援よろしくお願いします! (2019年2月11日 11時) (レス) id: 95c5868039 (このIDを非表示/違反報告)
チョコレヰト - おおお…面白いですね!ギャグ一直線って言うわけでもなく、かと言って重すぎるシリアスも無く…!!丁度良くて、見つけて一気読みしてしまいました…w応援してます!更新頑張ってください!いつまででも待ってます! (2019年1月27日 22時) (レス) id: 9bf0bfde55 (このIDを非表示/違反報告)
花岳(プロフ) - 結愛さん» 素敵なほのぼの文芸部だったんですね...こちらはガチガチ文芸部です...〆切前は常に修羅場で、よく悲鳴があがってます。それはそれで楽しいんですけどね!他校の部活の様子を聞けて嬉しいです!コメントありがとうございました!! (2018年9月19日 1時) (レス) id: 95c5868039 (このIDを非表示/違反報告)
結愛(プロフ) - 私も文芸部だったのですが、私の居た文芸部とは違うのですね…。(私の居た文芸部では皆好きなようにお絵描きしてました) (2018年9月17日 13時) (レス) id: 4e4bc357c1 (このIDを非表示/違反報告)
花岳(プロフ) - 紅夏さん» ありがとうございます!!!!もう、ほんとにありがとうございます。待ってる、と言って頂けるだけで頑張れます。絶対書き上げますので、待ってて下さい!、 (2018年9月17日 11時) (レス) id: 95c5868039 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:花岳 | 作成日時:2018年1月10日 23時