続き ページ6
「そうじゃなくて……サポーターのこととか、プロデューサーのこととか一回忘れて考えてよ!!」
「忘れるって、そんな大切なこと出来る訳ないだろう!!」
祢音の嘆きの心理が、キューンには察せなかった。
話の小さなすれ違いが、男女の心を確実に傷つけていく。
これじゃあずっとこのままだ、そう思ってとった行動で余計埒が明かなくなって。
どんどん悪くなる現状に、祢音は酷く焦りを感じた。
ーーー祢音はキューンのことが好きだった、そしてキューンが祢音のことが好きだということを知っていた。
キューンの一見ツンツンしてるようで誰よりも優しい自分への視線、手が触れあった時すぐ赤くなる耳、辛いときすぐに自分のもとへ駆けつける態度、自分のことを誰よりも大切に想う心、ずっと味方という言葉。
全てを繋ぎ合わせて出てくるアンサーはただ一つ、両思いだということ。
それは決して祢音の思い上がりなどではない。
だからこそ、早くそのことを真実にする言葉が欲しいのに。
(なんで上手くいかないの……?)
猫のように大きい瞳に、今にもこぼれそうなくらいの涙を浮かばせる。
思い通りにいかない現状が辛くて、悲しくて、悔しかった。
「私、お店先にでるね」
「お、おい祢音ーーー」
慌てふためくキューンを無視して、祢音は一口しか飲んでいないサイダーとそのお代を置いて店を出た。
しばらく歩くうちに、行く当てがないことに気が付く。
鞍馬家に帰ったらきっと変な心配をかけてしまうし、普段住んでるマンションはキューンが合い鍵を持っている。
景和の家にお邪魔するという手もあるが、それは流石に申し訳ない。
祢音は途方に暮れて、公園のベンチにぼうっと座った。
(これからどうしよう…)
「ーー祢音!?何してんだよ!」
「Aさん」
見知った声に祢音は思わず顔を上げた。
Aはデザグラ常連参加者の一人で、ちょくちょくヘマをする祢音のことをずっとアシストしてくれていた。
知り合ってからは普段の私生活でも祢音のことを気に掛けてくれてり、色々なことにさそってくれたりと一人っ子の祢音にとって仲のいい兄のような存在だ。
「あの…キューンに私……」
「泣いてるじゃねぇか、何かキューンとあったのか?」
そう言って涙を拭きながら優しく問いかけるAに、祢音はこくこくと頷く。
この少し乱暴だけど温かい言葉と、少しゴツゴツして大きな声にひどく安心した。
「とりあえずどっか店に入るか。このままじゃ話すの辛いだろ」
続く
続き→←キューン×祢音←男主【ギーツ】※登場一瞬&報われない&キュンねお中心のため男主夢目的非推奨
2人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
すにすな(プロフ) - るしゐ@さくらぁさん» そう言ってくれてめちゃめちゃに嬉しい…!!ぜひまたリクしてね〜💞 (4月8日 15時) (レス) @page8 id: b675f659fc (このIDを非表示/違反報告)
るしゐ@さくらぁ - わ〜!書いてくれてありがとう!!めちゃめちゃ刺さった…!またリクさせてね💞 (4月8日 15時) (レス) @page8 id: 73133c1157 (このIDを非表示/違反報告)
すにすな@さくらぁ(プロフ) - 芹名はる@さくらぁさん» 俺三原里奈、個人的にとても思い入れのあるお話なのでそう言って下さってとても嬉しいです〜!!自分はこういうのが好きなんだーい!!の感情で日々創作をしてるので、そのうちの一つがはるさんに刺さってくれたことに感激感謝です✨✨ (3月20日 17時) (レス) id: 6eb52e408b (このIDを非表示/違反報告)
芹名はる@さくらぁ(プロフ) - コメ失礼します、こちらの作品とっても好きです……! 特に(今更なんですが)第1弾にあった俺・三原・里奈ちゃんのお話がすごく刺さって、わ〜〜こういうのいいな……!!ってなりました。これからも楽しみにしています✨ (3月20日 16時) (レス) id: 8e5444889e (このIDを非表示/違反報告)
すにすな@さくらぁ(プロフ) - 塩みるくさん» コメありがとうございます!そう仰って頂けるととても励みになります♪コメ主さんの作品、影で拝見していたので1ヒロイン大好き人間としてヒロイン夢界隈の星である主さんからコメ下さってとても嬉しいです!よければこれからもたまーに覗いてやって下さい。 (2月26日 23時) (レス) id: 6eb52e408b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:すにすな@さくらぁ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ruriruhomupe1/
作成日時:2024年2月18日 21時