白のリコリスが咲く【Harry potter】 (ページ42)

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相変わらず、Aはハーマイオニーと調べ物を真剣に行っていた。

今までは〝闇の魔術〟関連の本から〝石になる呪い〟を主に調べていたが、かなり前にドラコが言っていた『犠牲者が出た』という威力までにはいかず、少しお手上げ状態だったのだ___しかし、先日ルーナが素晴らしいヒントをくれた。

『魔法生物を探してみるのも良いかもしれない__Aの感じたものは生物の何かかも。うーん、でも生臭さならケルピーとかグリンデローとか河童かな、、どれも石にさせる力は持ってなさそうだけど』

これにはハーマイオニーもすぐに食い付いてくれた。それに加え、Aが匂いを感じ取りやすい体質だということを伝えると、ポリジュース薬の件があったので特に怪しむこともなく納得してくれた。

むしろ、どうしてすぐに〝感覚〟のことを伝えてくれなかったのか、と肩を落としていた。

「貴方のお友達もとても優秀ね！ぁあ、どうして思い浮かばなかったのかしら__魔法生物なら、可能なことがたくさんあるわ__」

ハーマイオニーはAを連れて〝魔法生物〟の本が並ぶ箇所へと足を進めた。

「あった、コレよ__〝生臭さ〟から連想されるなら水の生物か、それが得意な生物。それでいて、石にする能力と殺傷能力もある__〝バジリスク〟」

ハーマイオニーが指差すそれは、スリザリンを象徴する様な大きな蛇だった。

殺しの方法は非常に珍しく、毒牙による殺傷とは別に、バジリスクの一にらみは致命的である。その眼からの光線に捕われた者は即死する。蜘蛛が逃げ出すのはバジリスクが来る前触れである。なぜならバジリスクは蜘蛛の宿命の天敵だから___

Aはその文献に目を通すと口を開いた。

「ミセスノリスは水溜りから眼を見た。コリンはカメラ、ジャスティンはニックを通して。ニックはゴーストだから2度死ねない__」

「えぇ、そうよ！！こんな大きな生物が隠れて城内を好きに行き来できる方法は、、」

ハーマイオニーは大きく頷くと、興奮した様にそのページに〝パイプ〟と書き足した。

「まだ誰も直接眼を見ていないのが奇跡だわ！A、手鏡持ってる？」

「えぇ」

「あ！待って、ペネロピー！__A、彼女にも鏡のこと伝えてくるから少し待ってて」

ハーマイオニーはそう言うと、今見ていたページをピリピリと破いて去って行ってしまった。

代わりに本を片付けてしばらくそこで待っていたが、いつまでも彼女は帰って来なかった。