白のリコリスが咲く【Harry potter】 (ページ38)

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結局、ダンブルドアは異臭と音の正体が何なのかは教えてくれなかった。しかし、それらは〝秘密の部屋〟と何か関係していることは明らかだった。

以前ビンズ先生が言っていた〝秘密の部屋〟の〝恐怖〟が何なのか、それを調べることが糸口だと思った。

翌朝、ルーナがいない寝室から起き、クレヴァと共に談話室に向かうとクリスマスツリーの下にいくつかの包装された包みが置かれていた。

「わぁ、、！クリスマスプレゼントだわ、、！」

誰もいないレイブンクロー寮にAの感動の声が響き渡った。孤児院育ちの為、こんなに煌びやかなプレゼントを貰うのは初めてだった。

ルーナからはカラフルなビーズ達で手作りした髪留め、セブルスからは〝高度な魔法薬調合法全集〟、ハリーからは可愛いレターセットと〝虹色に輝くインク〟、ドラコからはプレゼントではなくキラキラしたメッセージカードに『8時、大広間前』という短い文章が書かれている。

そして、なんと驚いたことに、リーマス・ルーピンからも小包みが届いていた。

中身はとても美味しそうなお菓子の詰め合わせと、母が写っている写真が入っている写真立てだった。真ん中にはウェディングドレスに身を包んだ赤毛の女性と、タキシードを着た男性___なんとなくハリーに似てると思った___女性の隣に母、リーマス、男性の隣に爽やかな黒髪の男の人、ぽっちゃりとした控えめな男の人が写っている。

セブルスからもらっていた写真はどれも動かなかったので、写真の中で嬉しそうに手を振る母を見るのは初めてだった。

『Aへ

ホグワーツの生活は、楽しめているかな？

噂では、不吉な事件が起きていると聞いているが、君が元気に毎日を過ごせていることを願っているよ。

あの時、君に失礼な態度を取ってしまってすまなかった___時間が経って冷静になると、君ともっと話をするべきだったと後悔したんだ。

君さえ良ければ、次の夏休みまた漏れ鍋で会おう。

リーマス・J・ルーピン

p.s写真は友人の結婚式の時のものだ。
動く写真は持ってなかったかな？』

クレヴァが、ガサガサと包みのお菓子を広げて食べているのも咎めず、Aはすぐにリーマスにハリーから貰ったレターセットを使って返事を書いた。

『素敵なプレゼントをありがとう。

私も貴方に会いたいです___』

それ以上は何を書こうか、と悩んだが夏休みに会えた時にたくさん話せればいいか、と短い手紙を封筒に入れて梟小屋へと足を進めた。