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角名 side





ちんたらと歩いていると例の公園が見えてきた。よく見るとベンチに人影が一つ。更に近づくと煙も見えた。




「Aちゃん、久しぶり。」




「びっくりしたぁ、倫太郎か。今日も走ってはるの?」





「いや、今日はAちゃんがいるかな、って思って散歩してたら、ほんとにいた。」





「そんな私に会いに来た言うてもなんもないで?煙草ならあるけど。」





そう言ってふぅ、と煙を吐き出す。その表情はとてもリラックスしているものだった。
まだ会って二回目だけど分かる。全く警戒していない。





「煙草はいいかな、重たいのしか無いんでしょ?」





「いや、今日は一ミリ持ってるで。甘いやつ。」





前聞いた十ミリよりずっと軽そうな響きだった。やっぱり好奇心はあるものでちょうだい、と気が付いたら口から出ていた。




「ふふ、ええで。これはなぁ、私が初めて吸った煙草や。今でもたまに恋しくなる。それで今日買うてもうた。」





「へぇ、そんなにこれ美味しいの?」





「せやなぁ。でも、やっぱり軽いんよ、これ。これの十ミリ出してくれたらカートンで買うんやけどな…八ミリしかないねん…」





しゅんとした表情で話す彼女。新しい表情をみた嬉しさが込み上げてくる。これは完璧に惚れてしまったな。絶対言えないけど。






煙草を咥え、借りたライターで火をつける。すぅ、と吸うと甘くてスースーする。確かにこれは美味しい。




「…これ、美味しいね。」




「せやろ!」




しかも前みたいにずん、とくる感じ(タール?)が無くてずっと吸える。確かに煙草、ハマる気持ちはわかった気がする…




全て吸いきって灰皿に押し付ける。なんて言うかあっという間に無くなっちゃったな…




「美味しそうで何よりだわ。また吸いに来てもええんやで。」





そう言った彼女の顔は暗闇だろうが関係無く綺麗な笑顔だった。北さんがこんな顔をした所は見たことがないから、なんだか新鮮だった。





「そうするわ。あ、そう言えばさ、もうすぐ文化祭あるんだよね」




「ほう、文化祭。倫太郎はなんかするん?」




「いや、俺はなんもしないよ。暇。」




「文化祭なぁ、行ったことないなぁ。」




「じゃあ来る?」




「…あいつおるんわかって言ってはる?」




「バレたか」




「そりゃバレるやろ…でも、倫太郎が暇って言うなら行っても楽しそうやなぁ」

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ヤナ - ヤバすぎ、、、、倫ちゃんがタバコとか、、、、想像するだけでにやけてまう、、、、 (2021年4月8日 17時) (レス) id: 4f2b53094b (このIDを非表示/違反報告)
- 初めまして、コメント失礼します!夢主ちゃん惚れました(((更新楽しみに待ってます!応援してます!!! (2020年12月20日 3時) (レス) id: f55a523df1 (このIDを非表示/違反報告)
- 神作品降臨ですわ....ありがとうございます!!! (2020年12月19日 19時) (レス) id: 98cd497361 (このIDを非表示/違反報告)
ナツカぬ - めちゃくそ面白いです!更新頑張って下さい! (2020年12月19日 10時) (レス) id: 00b7d99141 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:とうか | 作成日時:2020年11月15日 4時

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