＊KZ・短編集＊ ＳＴＯＲＹ１

３ー５　お弁当 ページ16

とりあえず、素知らぬふりして、なんとか乗りきるしかない！

私は、そう決意して、前進を始めた。

「おい。」

黒木君が気づき、若武に、声をかける。

やっぱり、私を待ってたんだ・・・。

みんなが、こっちを向いたのが分かる。

突き刺さるような、視線。

みんなは、よく平気でいられるよね。

見られ慣れてるから？

「アーヤ、中休み、カフェテリア集合だ。」

なにか、思い詰めているような表情。

一体、何があったの！？

みんなは、それだけ言って、さっさと戻ってしまった。





私は、授業を真面目に聞く余裕もなく、さっきのことについて、考えていた。

なんだろう。

新しい事件とかでは無さそうだよね。

うーん・・・。

そして、中休みになると、一目散に、駆け出した。

そうしないと、遅れちゃうから。

それでも、カフェテリアに着くと、みんなが揃ってたんだ。

暗いムードのみんな。

・・・こ、怖い・・・。

それでも、行かなきゃ、怒られるよね。

私は、一歩踏み出した。

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