検索窓
今日:3 hit、昨日:15 hit、合計:26,426 hit

私にとって ページ37

me side




kn「…ここに、おってくれ。」




弱い力で手を掴まれて、そう頼まれた。



陛下にそんなことを言われるなんて予想もしなかった。



近くにあった椅子を拝借し、ベッドの近くに持っていく。




おかゆは完食したけれど、依然顔は赤く少し息苦しそうだ。








kn「…A。」





『はい』






kn「…昨日、大先生と何話してたか、聞いてもええ?」







『昨日…、』





kn「あー…いや、兵士からなんか話してたって聞いて、

変なこと吹き込まれとらんかなって、なんもなかったらええんやけど」






あぁ、あの時の…






『それなら、なぜ私が陛下と結婚したのか聞かれていました。』





kn「……なんて、答えたん?」






『…陛下は、覚えてらっしゃらないと思うんですけど、

私、結婚するより前に陛下とお会いしたことがあって。』





kn「え…」






『我々国が戦争に勝って併合した土地に私の故郷が含まれてたんです。


併合される前、私の故郷では、厳しい徴税に耐えながら毎日今日を生きるのに必死で、

よく、過労や飢えで死人が出ていました。


両親も私を生かすために無理をして死んでしまった。


私、なぜ自分が生きてるのかわからなくて。

死んでしまった方が幸せなんじゃないかと思うくらい、辛くて、


そんな時に陛下が、私たちの前に現れて、

私たちを救ってくれたんです。』








今でもその時のことを鮮明に思い出せる。



見たことのない旗、聞いたことのない言語、

それは突然やってきて故郷を、私を救ってくれた。


たくさんの資源を支給してくれて、徴税の量も大幅に削減されて、いろんなことを教えてくれた。





「最大多数の最大幸福!つってな、

より多くの国民が笑って生きることが、国を豊かにするんや。」




理由を聞くと、先頭に立っていた人がそう答えた。





「ほな俺らはまだ行かんといけんとこあるから。

あ!そや俺の名前、と国の名前も言っとかな…」





空色のマントを翻して、その人は言った。




「どうも!我々国のコネシマです!

ほな達者でな!」










太陽のような人だった。



私はその時から、この国のために生きると決めた。


いや、生きる意味を与えられたと言った方が正しいかもしれない。










『…陛下は、私の光なんです。』

手→←熱



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (59 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
143人がお気に入り
設定タグ:婚約者 , wrwrd! , 軍パロ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

イデア(プロフ) - めさん» な、なんだってーー!!?(((すいません初コメにテンションが上がってしまいました、ありがとうございます…!!励みになります! (2022年8月21日 0時) (レス) id: 8186d383a3 (このIDを非表示/違反報告)
- この作品ほんと大好きです (2022年8月21日 0時) (レス) @page47 id: b02816ae41 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:イデア | 作成日時:2022年6月19日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。