熱 ページ36
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昼飯を完食した。
いつもみたいに世間話なんかしながら、穏やかな時間が過ぎた。
空になった食器を重ねるAを、ベッドで横になりながら見る。
…もう、帰るんかな
布団の下を手が伸びる。
『私、これ持って行って来ますね。』
伸びた手は届くことなく、出ていくAの背中を見ているだけだった。
『…あ、何か欲しいものはありますか？』
振り返って、Aがそう問いかけてきた。
行くな。なんて言葉を飲み込んで首を横に振る。
『そうですか。午後からは私が陛下を見ますから、何かあれば言ってくださいね。』
kn「え」
扉がぱたりと閉ざされる。
少し体を起こして、さっきの言葉をもう一度脳内で再生する。
…午後からは私が陛下を見ます……？
kn「…Aが看病してくれる…っちゅう、ことか…？」
熱のせいか、うまく頭が働かないが、恐らくはそういうことだろう。
…部屋、散らかっとらんかな、
きょろきょろと見渡す。
…よし、使用人が綺麗にしてくれてる。
…あとは、なんや、えっと…
回らない頭でいろいろ考えていると、また扉が叩かれて、Aが顔を出した。
『陛下？起き上がって大丈夫なんですか？』
kn「ぇ…あー…、ちょっと喉が渇いてな、」
ちゃんと寝るよ、と言って寝転ぶ。
『苦しくないですか？』
kn「おう、」
氷水に浸してしぼったタオルが額に乗せられる。
『じゃあ私はそこにいますから、欲しいものや、
何かお役に立てることがあればなんでも言ってくださいね。』
Aはそう言うと、背を向けた。
kn「…っ、待っ、」
今度は手が届いた。
『…どうかしましたか？』
kn「…ここに、おってくれ。」
Aは、少し間を置いて、わかりました。と言った。
『椅子だけ、お借りしますね。』
そう言うと椅子をベッドの横に置いた。
あぁ、あかんわ、俺今めっちゃガキみたいな頭しとる…
椅子に座るAを見て、こうも簡単に満たされてしまうのは
全部全部、この熱のせいだ。
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イデア(プロフ) - めさん» な、なんだってーー！！？(((すいません初コメにテンションが上がってしまいました、ありがとうございます…！！励みになります！ (2022年8月21日 0時) (
レス) id: 8186d383a3 (このIDを非表示/違反報告)
め - この作品ほんと大好きです (2022年8月21日 0時) (レス) @page47 id: b02816ae41 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：イデア | 作成日時：2022年6月19日 0時
