指名手配中、某彼氏。【瀬名泉】 (ページ4)

今日:3 hit、昨日:3 hit、合計:24,628 hit

4.ゆうくーーんページ4

「あの、なんで僕はここに」

「そんなに警戒しなくても大丈夫だよぉ
ゆうくん♪」

「え、えっと
今すぐにでも逃げ出したい感じなんですけど」

Aの事も見たいし
と、ついてきたかおくんに目線を注ぐゆうくん。

いや、邪魔。

「もー、せなっちも早く本題入ったら？
今頃、その子何されてるかわかんないでしょ？」

「何かされてたらぶん殴るから」

「ん？え？」

全く状況を把握できない…
と頭に？を浮かべるゆうくん。

はあ、尊い。

俺達は2年A組の前の廊下でゆうくんを呼び出した。

勿論、Aの事をゆうくんに事情聴取する為に。

「なんかね、おたくのお姉さん
昨日、男とホ…」

何を言い始めるかと思ったら単刀直入すぎ。

俺は急いでかおくんの口を塞ぎ込んだ。

「最近、Aに何か変なことなかった？」

「え？姉さんに、ですか？
変なこと…」

ああ、と閃いたように呟いたゆうくん。

「なんか、クッキー焼いてましたよ」

クッキー…？

くっきぃ…？

「え？

…ええぇええぇぇ？！」

「ちょっと煩いよ、せなっち
女の子なんだからクッキーぐらい焼くでしょ？」

「はぁ？！
あのAだよ？！」

この前まで、
＿＿いじゅみくん、あげる！
って泥の塊(一般的には泥団子)くれてたあのAが？！

「多分それ、泉さんの夢ですよ」

「そんなこと……

それは否めないねえ？」

「ん？」

羽風薫は、本当に理解できない。