顔が良ければ全て良しだと思うなよ！！ ２【降谷零/安室透】

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だってさ、焼肉食べたい日ってあるじゃん。

仕事しながらふと、あー肉食べたいなぁって。

思う時あるじゃん。私の場合は結構頻繁にあるの。

でも今夜空いてますかって降谷さんに聞いたら予定あるって返ってきてさ。

じゃあ仕方ないなって思った私が次に浮かべた言葉はこうだ。


じゃ、１人で行くか。


別に初めての試みでもない。

今までも何度か１人で焼肉に行ってる。

食べたいんだもん。仕方ないじゃん？

まさか焼肉屋で知人に会ったりはしないだろうし。


…はいそうですよフラグ立てました！！！完全にフラグでした！！会ったよ！！会っちゃったよ！！

よりにもよって彼氏様に！！！！！


見慣れた金髪が視界の端に映って顔を上げたら、見覚えがありすぎる青い瞳とガッツリ目が合った。

その後ろには公安の方々。

お互い目を見開いたまま無言が続き、目の前で肉が焼ける音だけが響く。

…予定って部下と焼肉かよ。

降谷さんが口を開けた瞬間、私はすかさずそれを遮って言った。


『なんですか！？アラサー女子が１人で焼肉とか辛すぎwですか！？バカにしないでくれます！？１人で焼肉来てなにが悪いんですか！！別にいいじゃないですか！１人切なく肉焼いてても！！今の私に必要なのはカルビとハラミなんです！！１人焼肉万歳！！！！』

｢ま、まだなにも言ってないだろ…｣



＊


風見side


上司に連れられて焼き肉に来たら上司の恋人が１人でカルビを焼いていた。

…なかなか衝撃的な図ではあった。

彼女の名前は赤井A。

元々俺の後輩でもある。


元公安警察の彼女は当然公安内に知り合いも多い。

ここに来ている警察官の中にも顔見知りの人は何人かいて、流れで彼女もこちらのテーブルに参加することになった。


『え！？入っていい！？つまり降谷さんの奢りですね！！ラッキー！！』


なんて叫んで万歳しながら降谷さんの隣に座った彼女は、降谷さんの恋人だからここまで無遠慮なわけではなく元からこうである。

最初とかほんっとうに見てるこっちの胃が痛かった。

何を言われても全力で口答えする姿に周りはひやひやさせられたものである。

その光景に慣れた俺たちは久々のそれには最早｢懐かしいな｣くらいの感想しか抱かない。

しかし彼女を知らない新人たちはめちゃくちゃギョッとしている。

正直気持ちはとてもよくわかる。

１人で肉焼いてた女が鬼上司の降谷さんにマシンガンぶちかましてるんだからそりゃそうなるだろう。

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