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｢廉くん、くすぐったいよ…っ｣
｢んー…もうちょっと｣
チュッ、チュッ…とリップ音が室内に響き
私は恥ずかしくなって目を瞑ったまま
カチンコチンに固まっていた。
｢れ、廉くん〜っ｣
｢ふはっ、耳真っ赤やん。
今日はこれで勘弁してあげる｣
そう言ってニヤリと笑う廉くんの顔は
イタズラっ子そのもの。
私は
もう！と頬を膨らませて怒ったアピールをした。
｢そろそろ寝よっか。もう11時やし｣
｢あ…うん｣
そこで私は思い出す。
��考えてみなさいよ。記念日にホテルよ？
することなんて1つしかないじゃない��
春ちゃんのあの言葉を…。
え、えっと、えっと…！
｢Aどうした？｣
｢う、ううん！何でもない！｣
不思議そうに首を傾げる廉くんに慌てて首を振る。
寝室にはとても広いベッドが2つあって
一応、2つのベッドは繋がっている。
白をベースにしたシーツに
薄らと刺繍が入った毛布は片方が青で片方がピンク。
廉くんは青色の布団に入った。
｢電気消しても大丈夫？｣
｢う、うんっ…｣
カチッという音と共に落とされた明かり。
｢おやすみ｣
｢お、おやすみ｣
…あれ？
えっと…このまま寝てもいいのかな…？
どうやら春ちゃんが言っていたような展開には
ならない様子。
私はどこか安心しながらも少し寂しくなった。
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作者名：なっちゃん
| 作成日時：2020年8月14日 21時
