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45話 ページ2

降谷side


「はぁ……」


愛車に乗り込みバタンと扉を閉めたところで、大きく息をついた。


疲れた。

今日の組織の任務は割と厳しかったのだ。

それこそ銃弾飛んでくる感じの。

割と何回もやべえって思ったくらい。


しかし、幸運なことにほぼ無傷で方をつけることが出来た。

しかも予定より大分早く。

朝、Aが応援してくれたからかなとぼんやり考える。


…うん、早めに帰れるし今日は晩御飯を作ってAを待とうか。

あいつの好きなイタリアンにしよう。

そんなことを考えていた時だった。


“安室透”の携帯がメールを受信した。

開いてみると、送り主はコナンくん。

そして書かれていたのは短く簡潔な一文だった。


〈安室さん、大丈夫?〉



……なんのことだ?

組織の任務のことは言ってないはずだが…

そのまま「なんのこと?」と返信する。

と、すぐに返事が返ってきた。



〈少し前にAさんに電話かけたよね?
あのとき僕達一緒にいたんだけど、Aさんが血相変えて行っちゃったから何かあったのかなって〉

「……は?電話?」



そんなものかけてない。

さっきまで銃弾の中走ってたんだぞ。かけれるはずもない。

何かを察したコナンくんが〈2時間くらい前だよ〉と追加で送ってくれた。

いやその頃まさに変装して潜り込んでたんだが。


嫌な予感が一瞬で体の中を駆け巡る。

まさかあいつ、変なトラップに引っかかったんじゃ…!


急いでもう1つの携帯を出してAの名前を探す。

すると次の瞬間、また“安室透”の携帯が鳴った。

メールじゃない。電話だ。

しかも見たことがない番号から。

迷わず通話ボタンを押し、携帯を耳に当てた。



「…はい」

「どうもこんにちは、安室透さん」


変声期もなにも使ってない素の声に一瞬面食らう。

どこかで聞いた覚えのある声だ。

そう確か…いつかのパーティー会場で…

あぁ、そうだ。あのムカつくお坊ちゃんだ。



「……遊佐伊織さん?」

「へえ、声だけでわかるなんてすごいですね」

「…これでも探偵ですからね」


遊佐の御曹司が何の用だ…?

いや、最近跡を継いだんだっけ。

このタイミングで俺にかけてくるなんて、A絡みとしか思えないが。

向こうの音を1つ1つ聞き逃さないように耳を凝らす。


「それで、どうしました?」

「いえ、ただ報告とお礼をと思いまして」

「お礼?」

「ええ、名前と声をお借りしましたので」


疑惑が確信に変わった。

やっぱりこいつか。

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設定タグ:名探偵コナン , 降谷零 , 安室透   
作品ジャンル:恋愛
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ひなた(プロフ) - 読ませていただきました!初めてゴリラを好きになれた作品なので感謝しております!そして、少し気になったのが、「緑川」というキャラでおそらく諸伏くんの声優さんと名前がごっちゃになってしまい諸伏くんを緑川と書いたものだと思いますがそこが少し気になりました。 (2022年4月30日 21時) (レス) id: dd9bdc737b (このIDを非表示/違反報告)
りーくん - 待って最後の宣伝のやつ二つとも知ってんだけどwwww (2021年9月1日 21時) (レス) id: 6d65fc1765 (このIDを非表示/違反報告)
立夏(プロフ) - 椎名桃乃さん» わー!ありがとうございます…!そんなそんなもったいないお言葉ばかりですがとっても嬉しいです!見つけてくださってありがとうございました!どうぞお暇潰しにでもゆるりと読んで頂けたらと思います!笑 ありがとうございました! (2019年5月26日 18時) (レス) id: 4a977019e9 (このIDを非表示/違反報告)
椎名桃乃 - 狂犬ちゃんを読んでぼろっぼろに泣いて、それから此方の作品を見付けて、いい話だなーとほっこりさせて頂きました!立夏さんは文才力が半端ないですね…!他の作品も読んでみたいと思います! (2019年5月24日 21時) (レス) id: 87ecca1cfc (このIDを非表示/違反報告)
立夏(プロフ) - ウィンディ-lilac-さん» わぁぁありがとうございます!!とっくに完結した作品なのに見つけて下さって感謝しかありません…!本作は初めて書いた降谷夢なのでとても嬉しいです!狂犬の方まで本当にありがとうございます!これからもいっぱい文字書きますね!! (2018年8月27日 20時) (レス) id: 0fab2bc529 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:立夏 | 作成日時:2018年6月10日 21時

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