41話 ページ46
あぁ、あの電話の零は偽物だったのか。
目が覚めて１番最初に思ったのはそれだった。
大方、声真似が得意なやつにでもやらせたのだろう。
大体零が組織の仕事中に私を呼ぶわけないじゃないか。
そういえば口調もあやふやで少しおかしかった。
なんでその場で気づかなかったんだ。
まさかこんな簡単なトラップにかかるなんてなぁ…
ほんと、どれだけ取り乱してたんだか。
いくらなんでも惚れすぎではなかろうか。
思わず自嘲気味にクスリと笑う。
ごめんねコナンくん、お姉さんさっき嘘ついたのよね。
実は君からあの質問をされた時、こっちはポーカーフェイスを保つのに大変だったのだ。
上がる体温を必死で抑えて、平静を装って。
あ、でも目線が泳いでしまったから君は気づいてたかも。
｢Aさんってさ、安室さんのこと好きなの？｣
君はあの時、そう聞いたっけ。
うん…
そうだね、その通りだよ。
まさか小学生の一言で意識させられるとは思ってなかったけど。
多分、もうずっとずっと前からだ。
子供っぽくて、素直じゃなくて、可愛くなくて、意地悪で。
でもその瞳に宿る正義感が眩しくて、追いかけたいと思った。
誰も見ていないところで人のために頑張る彼に、どうしようもなく惹かれてた。
私は零が好き。
そんな簡単なことに気づくのに、一体何年かかったんだろう。
それによりにもよってこのタイミングかぁ…
はは…と乾いた笑いを漏らす。
さて、こんなことに気づいてしまったのだ。
これはなんとしてでもあの部屋に帰らねばならなくなった。
まだ痛む後頭部を持ち上げる。
大丈夫。まだまだ元気。
公安なめんなよ。三徹の方がきついわ。
恋だの愛だのは一旦置いといて、現状の確認を始めよう。
私は今、手を柱に縄で縛り付けられていた。
場所はなんだかラブリーなピンクの部屋。
窓の外の景色には見覚えがある。
間違いない。遊佐邸だ。
伊織くんはあのまま私を家に連れてきたのだろう。
とりあえず私を攫ってきた理由を聞かなければなにも始まらない。
なんだろうね？白石家に大損でもさせられたのかしら。
私なんかでは人質は務まらないと思うけど。
ていうかそろそろ誰か来てくれよ。
そう思った瞬間、見計らったように大きなドアが開いた。
続いて入ってきた人物を、きつく睨み上げる。
｢やあ、気分はどう？｣
『最悪』
それを聞いて愉快そうに笑う伊織くんは、そのまま私の目の前まで歩を進めてきた。
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立夏(プロフ) - 坂竹会長さん» わわわほんとですね…！ありがとうございます！直しておきます！ (2018年9月30日 21時) (
レス) id: 0fab2bc529 (このIDを非表示/違反報告)
坂竹会長 - ページ30、あんなとこでが、あんたとこでになっております。間違っていたらすみません。 失礼しました。 (2018年9月30日 20時) (レス) id: d6f7fc00e7 (このIDを非表示/違反報告)
mリン(プロフ) - 立夏さん» まさか見ていただけてるとは……！夢主ちゃんがどうなるか続きが気になります……。お互い更新頑張りましょう笑 (2018年6月7日 9時) (レス) id: 0761f3b4ce (このIDを非表示/違反報告)
立夏(プロフ) - mリンさん» わぁぁmリンさん！初めまして！私もmリンさんの小説いつも楽しみに読ませてもらってます！！本人の前で素直になれるのはいつになるやら…という感じですが応援していただけると嬉しいです笑 ありがとうございます！頑張ります！ (2018年6月5日 23時) (レス) id: 0fab2bc529 (このIDを非表示/違反報告)
mリン(プロフ) - お初にお目にかかります。ちょっと素直になってきた夢主ちゃんがたまらなく可愛いです………。このお話本当に好きです。私のとこの夢主とはえらい違いが……笑 続き楽しみにしてます、更新頑張ってください！ (2018年6月5日 23時) (レス) id: 0761f3b4ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：立夏
| 作成日時：2018年5月20日 18時
