25話 ページ26
午前8時。
私は警視庁の中を歩きながら肩を回した。
バキメキャッと嫌な音がするのはもうすっかり日常になっている。
零の家からここに通うようになって今日で4日目。
といっても、零も私も不規則な生活で家に帰らないこともあるため、結局家の中では初日以外顔を合わせていない。
この4日間、いつもより周囲を警戒しながら移動しているが、確かに人の視線を感じることはたびたびあった。
けれど、それは毎回人が多いところでだったから結局誰かはわからなかった。
殺気とかは感じないんだけどなぁ…どうしたもんか。
うーんと首を捻りながら我が公安部へと足を踏み入れる。
『はよーございまーす』
「あ、Aさん来た!」
『ん?』
いつも通り適当な挨拶をしながら自分の机へと向かおうとしたその時、突然奥から声が飛んできた。
声の主は2つ年下の後輩。
見ると、風見さんのデスクの周りに、風見さんと数人の若い婦警たちが集まっている。
女子に囲まれてる風見さんとかちょっとウケるな…
とか失礼なことを考えながらそのままそっちに近づく。
すると、後輩が私を指さし風見さんに向かって言った。
「ほら!Aさん絶対いけますよ!
見て下さいこの童顔!この人まだ年確されるんですよ!?」
『お?朝イチから喧嘩売ってる?買うよ??』
なんだなんだ、朝っぱらから気にしてるとこを突かれるとは思わなかったぞ。
風見さんも風見さんで私の顔を凝視して「ふーむ」とか言ってる。やめろ見るな。
周りの女の子達も頷くな。
「白石、お前酒に強かったよな」
『え?あぁ、そうですね…その点に関しては負けない自信ありますけど』
頷けば、風見さんの目がギラリと光った。
思わずひっと後ずさったが、逃亡叶わずガシッと肩を掴まれてしまった。
『あ、あの…』
「白石!明日から短期間の潜入調査をしてくれ!」
『え!?ど、どこの』
言い終わる前に横から後輩に資料を差し出された。
横目で場所だけ確認する。
……ちょっと待って、これってまさか。
「頼む!お前しかいないんだ!」
『えええええ待って下さいよ流石にこれは』
「受けてくれるな!?!?」
『必死すぎやしませんか!?』
「上司命令だ!!」
『あっずるい!』
あ゛ーーーと頭を抱える。
仕方ない、そう言われては受けざるを得ない。
しぶしぶ頷いた私に、風見さんは満足そうな顔をした。そして一言。
「降谷さんには何があっても絶っ対に言うなよ」
『はい?』
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立夏(プロフ) - 坂竹会長さん» わわわほんとですね…!ありがとうございます!直しておきます! (2018年9月30日 21時) (レス) id: 0fab2bc529 (このIDを非表示/違反報告)
坂竹会長 - ページ30、あんなとこでが、あんたとこでになっております。間違っていたらすみません。 失礼しました。 (2018年9月30日 20時) (レス) id: d6f7fc00e7 (このIDを非表示/違反報告)
mリン(プロフ) - 立夏さん» まさか見ていただけてるとは……!夢主ちゃんがどうなるか続きが気になります……。お互い更新頑張りましょう笑 (2018年6月7日 9時) (レス) id: 0761f3b4ce (このIDを非表示/違反報告)
立夏(プロフ) - mリンさん» わぁぁmリンさん!初めまして!私もmリンさんの小説いつも楽しみに読ませてもらってます!!本人の前で素直になれるのはいつになるやら…という感じですが応援していただけると嬉しいです笑 ありがとうございます!頑張ります! (2018年6月5日 23時) (レス) id: 0fab2bc529 (このIDを非表示/違反報告)
mリン(プロフ) - お初にお目にかかります。ちょっと素直になってきた夢主ちゃんがたまらなく可愛いです………。このお話本当に好きです。私のとこの夢主とはえらい違いが……笑 続き楽しみにしてます、更新頑張ってください! (2018年6月5日 23時) (レス) id: 0761f3b4ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:立夏 | 作成日時:2018年5月20日 18時