15話 ページ16
コナンside
「あ!Aさん達、やっと帰ってきましたよ!」
光彦の声にパッと顔を上げた。
見れば、まさかたった今現行犯を捕まえてきただなんて思えないほどいつも通りな二人。
バツが悪そうに笑うAさんと安室さんは、両手いっぱいに飲み物を抱えていた。
『えへへ、自販機が意外と遠くて迷っちゃって…
でもほら!アイス買ってきたよ!』
「アイス!?やったー!」
「俺ソーダがいい!」
あっという間に二人の周りに人が集まる。
…会話の内容を聞いていた限り、間違いなく彼女は公安。安室さんの部下だろう。
その事実にとりあえず安心する。組織とは関係なさそうだ。
さりげなく人の輪から外れてテントの向こう側へ行った彼女を慌てて追いかけた。
『──さて、真相がわかって満足かしら?名探偵くん』
「わっ!」
テントの裏に回ると、Aさんはそこで俺を待ち構えて仁王立ちしていた。
右手にはさっき仕掛けた盗聴器。
やっぱり気づかれていたらしい。
メキャッという音と共にいとも簡単に潰される。
『あのねぇ…盗聴って犯罪なのよ。探偵ごっこもいい加減にしなさい』
「でもゼロのお兄ちゃんも僕のこと盗聴してたよ?」
『………』
うっとわかりやすく顔を歪めるAさん。
この人、まるで別人みたいだな…
優しくて朗らかなお姉さんという印象だったのに、実際は随分気が強そうだ。
安室さんと話してる時もかなりツンケンしてたし。
Aさんはわざとらしくため息をついて、俺に目線を合わせた。
『そんなことより、それやめてくれない?』
「え?なにが?」
『その猫被り。見ててイライラするのよ。
精神年齢と見た目が合ってないっていうか…
あんた中身高校生だったりするんじゃない?
実は正体は親戚だって言ってる工藤新一だったりして、あはは』
「ななななに言ってるの!?そんなわけないじゃーん!」
当たってるし!!!!!
本気で言ってないにしてもバッチリ当たってるし!!!
え、勘か!?怖すぎないか!?
解きかけていた警戒心を今ので一気に戻された。
急に慌てて否定した俺を、Aさんは特に気にした様子もなく眺めている。
と、背後から誰かの気配がした。
安室さんだ。
「まったく…Aは毎回詰めが甘いんだよ。
盗聴器に気づいてたのに忘れるって…」
『はは、コナンくんどう思う?自分だって正体バレたくせに完全に棚に上げて部下を叱る上司』
「え、ええ…」
頼むから巻き込まないでくれ…
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立夏(プロフ) - 坂竹会長さん» わわわほんとですね…!ありがとうございます!直しておきます! (2018年9月30日 21時) (レス) id: 0fab2bc529 (このIDを非表示/違反報告)
坂竹会長 - ページ30、あんなとこでが、あんたとこでになっております。間違っていたらすみません。 失礼しました。 (2018年9月30日 20時) (レス) id: d6f7fc00e7 (このIDを非表示/違反報告)
mリン(プロフ) - 立夏さん» まさか見ていただけてるとは……!夢主ちゃんがどうなるか続きが気になります……。お互い更新頑張りましょう笑 (2018年6月7日 9時) (レス) id: 0761f3b4ce (このIDを非表示/違反報告)
立夏(プロフ) - mリンさん» わぁぁmリンさん!初めまして!私もmリンさんの小説いつも楽しみに読ませてもらってます!!本人の前で素直になれるのはいつになるやら…という感じですが応援していただけると嬉しいです笑 ありがとうございます!頑張ります! (2018年6月5日 23時) (レス) id: 0fab2bc529 (このIDを非表示/違反報告)
mリン(プロフ) - お初にお目にかかります。ちょっと素直になってきた夢主ちゃんがたまらなく可愛いです………。このお話本当に好きです。私のとこの夢主とはえらい違いが……笑 続き楽しみにしてます、更新頑張ってください! (2018年6月5日 23時) (レス) id: 0761f3b4ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:立夏 | 作成日時:2018年5月20日 18時