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10話 ページ11

コナンside


正直、ほとんど賭けだった。

もしかしたらなにかボロを出さないかなーと。


白石AがただのOLでないことは察していた。


安室さんとの頻繁なアイコンタクトや、時々隠しきれずに出る鋭さ。

一度事件に居合わせた時の視線や動きでほぼ確信した。

でも、それもこれも全てはっきりと証拠になるものではなかった。

だから1度、本人に面と向かって探りを入れようとしたのだ。



「Aお姉さん、ちょっといい?」


バーベキュー中、俺は少し離れたところで焼きマシュマロを延々と食べ続けるAさんに声をかけた。

彼女は特に驚きもせず、むしろ待ってましたと言うかのように小さく微笑んだ。


『どうぞ。オレンジジュース飲む?それともアイスコーヒーかな』

「ううん、大丈夫だよ」

『そっか。それでどうしたの?』

「うん、えっと…安室のお兄ちゃんとのことなんだけど」


言ってる間も、彼女は焼きマシュマロを頬張っている。

そんなに気に入ったのか…でもちょっと食べすぎでは…

そんなことを思いながら早速本題に入った。



「Aお姉さんと安室さん、よく視線を合わせてなにか伝えあってるみたいに見えたから気になって!」

『え〜そうかな?そんなことしてる?』


Aさんは照れたようにはにかんで見せた。

えへへ、と頬を染める姿に、思わず目を丸くする。

しかしすぐに振り切ってもう1度切り込んだ。



「それにこの前、安室さんがAお姉さんに渡したレシートに何か書いてたよね?なんて書いてたの?」

『ん?あぁ、あれね…』


今度はあっさりと認めた。

うーんそうだなー、なんてちょっともったいつける。

そしてAさんはそのまま俺の方へ向き直った。

唇の前に人差し指を持ってくる。大きな瞳が恥ずかしげに揺れている。

彼女は少し躊躇ってからゆっくりと口を開いた。




『大人の秘密、かな』

「………っ!?」



え、今の…本当に演技か…?

ライトに照らされた彼女の頬は赤くて、困ったように、それでも幸せそうに微笑んでいる。

ただ付き合ってることを隠してるカップルにしか見えなくて、こっちまで赤面してしまいそうになる。

Aさんが焼きマシュマロ貰ってくるねーと俺の横を通り過ぎた後も、何も言えずにしばらく固まってしまった。


これくらいでボロを出すと本気で思っていたわけではないが、もし今のが本当に演技なら相当手強いな…

はは、と乾いた笑いを漏らし、紙コップにアイスコーヒーを注いだ。

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設定タグ:名探偵コナン , 安室透 , 降谷零   
作品ジャンル:恋愛
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立夏(プロフ) - 坂竹会長さん» わわわほんとですね…!ありがとうございます!直しておきます! (2018年9月30日 21時) (レス) id: 0fab2bc529 (このIDを非表示/違反報告)
坂竹会長 - ページ30、あんなとこでが、あんたとこでになっております。間違っていたらすみません。 失礼しました。 (2018年9月30日 20時) (レス) id: d6f7fc00e7 (このIDを非表示/違反報告)
mリン(プロフ) - 立夏さん» まさか見ていただけてるとは……!夢主ちゃんがどうなるか続きが気になります……。お互い更新頑張りましょう笑 (2018年6月7日 9時) (レス) id: 0761f3b4ce (このIDを非表示/違反報告)
立夏(プロフ) - mリンさん» わぁぁmリンさん!初めまして!私もmリンさんの小説いつも楽しみに読ませてもらってます!!本人の前で素直になれるのはいつになるやら…という感じですが応援していただけると嬉しいです笑 ありがとうございます!頑張ります! (2018年6月5日 23時) (レス) id: 0fab2bc529 (このIDを非表示/違反報告)
mリン(プロフ) - お初にお目にかかります。ちょっと素直になってきた夢主ちゃんがたまらなく可愛いです………。このお話本当に好きです。私のとこの夢主とはえらい違いが……笑 続き楽しみにしてます、更新頑張ってください! (2018年6月5日 23時) (レス) id: 0761f3b4ce (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:立夏 | 作成日時:2018年5月20日 18時

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