梅雨の時期に ページ24
あれから、松本さんとも連絡を取るようになって、
よく、おしゃれなお店を教えてくれる。
初めはなんでも、値段とか知らないから素直に反応しちゃって、
値段を知って手の届かなさに絶望してたら、
松本さんから翔さんに話が言っていたらしく、翔さんが奮発して、うん、みたいなこともしばしばあり...
そういうのは嫌って言ったら、
笑われるし、あんま分かってもらえないしで一回電話で怒って、
それでやっとわかってもらったような感じ。
その一件から、初めから値段を教えてもらえるようになった。
ほんとに、翔さんに申し訳ないって！
で、私は、バイトも始めた。
小さい喫茶店。
大学の近くにあってたまたま、入って
気に入って、通ってたらバイトしないかとスカウトされて。
マスターと、パティシエの荘加さんと、私。
リピーター客が多くて、
顔見知りになることもしばしば。
ほんとにいろんな人が来るから、楽しくって仕方ない。
『いらっしゃいませ、』
やっと働くことにも慣れて、一通り板についてきたのが、
6月。
去年だったら、翔さんから寮に初めて電話がかかってきたころ。
懐かしいなと思う、
もう一年たったんだ、って。
水族館に連れて行ってもらった、
お礼がしたいって押されてなかったら、
私たちは二度と会えなかったのかもしれない。
会ったら、ダメだと思っていたのに。
ほんとはね、
ポカリ渡したときに気付いてたよ。
ずっとずっと見てきた人なら、憧れていた人なら、
ちゃんと見分けられるんだよ。
会いたくなかった、と思ったゴールデンウィーク。
楽しむしかないなってわりきった水族館、
戸惑いながらも手を取ってしまった、学校の門の前、ブレスレットをくれた日。
もう一年たった記憶と、
もうすぐたちそうな記憶。
ずっと、自分の中に、
残しておけたらいいのに。
『え？』
「このお店のね、新店を出すことになったんだけど、そこのスタッフになってほしいんだ」
『え？』
「3回目だけど...」
『あの、内容は分かってるんですけど』
そもそも割と都内のいろんなところにお店が出ていることも、
ここが親元、ってことも全然知らなかったから、
『ビックリしちゃって、』
「君みたいな子に、新しいお店に入ってほしくて声かけたんだよね」
新しいお店はどこに建つのか聞いたら、
にこ、っとマスターが笑って、
「テレビ局」
って一言
もしかしたら翔さんに会えるかも、なんて
淡い期待を抱いた、梅雨の1日だった。
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あきんこ(プロフ) - みかぽさん» 初めまして。コメントありがとうございます、＆返信遅くなってしまってすみません。（今知ったので...）コメントの内容が、とっても嬉しかったです。すごく思い入れがある分、進め方に悩みます...(^_^;)でも、翔さんたちと一緒に頑張るので、よろしくお願いします。 (2017年12月27日 22時) (
レス) id: b8ee868a37 (このIDを非表示/違反報告)
あきんこ(プロフ) - ゆかりさん» （笑）いつもありがとうございます。 (2017年12月27日 22時) (レス) id: b8ee868a37 (このIDを非表示/違反報告)
みかぽ(プロフ) - はじめましてでお邪魔します！ その全てをくださいからイッキ読みして来ました。 面白くて止まりませでした！！これからも楽しみにしてます★ (2017年9月18日 13時) (レス) id: 952df20f4c (このIDを非表示/違反報告)
ゆかり - しようちやんも大好きだよ (2017年7月26日 13時) (レス) id: 008d99490d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あきんこ
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=akinko0125
作成日時：2017年7月26日 11時
