本気のバトルと知らない感情 ページ15
ラップバトルが始まり、スピーカーのビートと緊張感が場を満たしていく。本格的なバトルは初めてだし、スキルがないとはいえ数も多い、大怪我しても文句は言えない。相手のリリックを受け止める体制になり衝撃に備えた。
強盗のリリックが俺に突き刺さる。初めて食らったそれは痛みのない電撃のような衝撃と、水の中にインクを垂らすような頭をじんわり蝕む不快感が同時に襲いかかり、思わず頭を抱え呻いた。あの人達はこれより強力なものを何発も耐えているのか……!スゲェよマジで!今まで経験したことない感覚に防衛本能が働いているのか、それとも本気の戦いに興奮しているのか。全身が燃えるように熱くなり視界の端が赤く染まっていく。目の前の敵以外のものを認識できなくなっていく。あぁ、そうだ。ラップアビリティを使ったらすぐに決着がついてしまう。一撃で倒れないぐらいのリリックをぶつける。あいつは膝をついたがまだ立ち上がってくる。そしてもう一撃、切羽詰まったような攻撃が飛んできた。今まで感じたことのない高揚感が俺を満たしていく。こんなに楽しいものがあったなんて!!!口角が釣り上がる。あいつは怯えたような目をしていた。
『歯ぁ食いしばれよ。』
いつもより良く回る頭と口がリリックを紡ぎ出す、ちゃんと構えろよ。本気でやるから。俺の攻撃が大きな爆風になりあいつを吹き飛ばした。店の外まで飛ばされて壁に激突して、あいつは気絶した。俺の実力で初めて勝利した。一緒に人質になっていた人たちが感謝の言葉を言ってくる。笑顔でそれに応えていると外にいた警察たちが怪我はないかと心配してくれた。少しだるいけど特にしんどいとかはないです。そう言おうとしたら、警察が所持しているマイクが目に入った。
その瞬間、強い衝動が俺の中を巡った。体が熱い、頭が熱い、ああヤバい。これはきっと“ダメなやつ“だ!!泣きそうになっている俺に優しく声をかけてくれてたけど、俺はその場から走り去った。
足が痛み始めた頃、どっかの路地裏に蹲る。酸欠とよくわからない感情で視界が歪む。嬉しいのか悲しいのかよくわからない、こんなの知らない。初めてのことが多くて疲れたのか、バトルで受けたダメージのせいか、その場に倒れて意識が薄れていく。誰かの声と複数の足音が近づいてきた。赤色が俺を抱えて何か言っているけどよくきこえない。ごめんなさい、おきたら、ちゃんと…はなし……きく………か…………ら………………
お泊まりってブクロファンに敵視される説あるよ→←イケブクロと、スウィーツと、強盗と
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夜桜 雷江(プロフ) - Makua*ぼっちさん» はいっす!!頑張ります!!応援ありがとうございます!! (2021年9月27日 15時) (レス) id: 0223c8e5d1 (このIDを非表示/違反報告)
夜桜 雷江(プロフ) - Makua*ぼっちさん» 笑っていだだいて嬉しいです!彼の基準は人間にとって極端なのでw更新頑張ります! (2021年9月19日 14時) (レス) id: 0223c8e5d1 (このIDを非表示/違反報告)
夜桜 雷江(プロフ) - 九十九天斗さん» 嬉しいです!ありがとうございます! (2021年8月22日 18時) (レス) id: 9673f83792 (このIDを非表示/違反報告)
九十九天斗(プロフ) - 最近この作品を知って,思わず一気読みしてしまいました!凄く面白くて続きが楽しみです!応援してます! (2021年8月19日 22時) (レス) id: a6414a60a8 (このIDを非表示/違反報告)
夜桜 雷江(プロフ) - Makua*ぼっちさん» ありがとうございます!頑張ります! (2021年8月10日 11時) (レス) id: 9673f83792 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夜桜 雷江 | 作成日時:2021年6月30日 19時