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軽率な。 ページ10





「まァ、君が此方に来てしまったということについては

ボクが何とかしてあげるヨ


違う世界から来たって事実ハ、ボクしか知らないからネ」




『夏目くん…本当にありがたい…!のですが


何とかしてくれるよりも帰らせてくださいお願いします


もういっそ何捧げてもいいんで!!!
(グッズ以外なら!!!!)


アイドルを生で見られるほどの耐性ないですし


何よりログインしてないんですよ』





「ログインは今出来るんじゃないノ?」







早口で捲し立てた私に対して、



夏目くんは私が肩に掛けているリュックを指差し冷静にツッコんだ。





これはあちら側でも使っていたリュックだ。


…ということはスマホと財布と携帯はあるのね!!勝った!!


通信料は…うん…。なんとかしよう。




場違いながらも即行であんスタを起動する私に、


呆れたような顔をして夏目くんは言った。





「帰らせテ、という要望についてはまだ


難し…いヤ、出来ないネ。少なくとも一年は」






『は?』




危うくスマホ落とすところだった。




「悲しいけド、キミが望んだんだヨ。


…何を捧げてでもこの世界に行きたいって、ネ。


キミは日常を捧げた代償に此処に来たんダ」


















…あぁ、そういえば言ってたっけ。




本当にそういうことって、あるんだ。






トリップなんていう滅茶苦茶なことを経験してしまったら、そんな事実受け入れ難い訳もなく。




『そう、ですか…じゃあ自業自得ですね』



そう自虐的に笑った途端、目から雫が溢れてきた。

慌てて笑顔を取り繕おうとしたがかなわなかった。





さっきまで、少しだけ喜んでいたのに。


何を捧げても…とかいうのはただ、


すぐに帰りたいなんて思ってしまう程、軽率な発言だった。


















ところで、私は一年分も祈っていたのか。




驚き、呆れたときにはもう、涙は引っ込んでいた。





鋼メンタルなめんな。

なんとなく。→←夢だけど。



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きなこ(プロフ) - 澪さん» そうなんですね…!こちらも周りに紅月Pがいないので嬉しいです!!ぁぁっmv尊すぎましたね…(悶え)mvと澪さまの嬉しいご感想でモチベーションがめちゃめちゃ上がりました!本当にありがとうございます!! (2021年8月24日 7時) (レス) id: 7ac5a19944 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - きなこさん» ああやはりそうでしたか!!私も紅月箱推しなんです!新しく更新されたお話早速読みました!蓮巳が優しすぎて萌えます…。ところで紅月のMV予告は見ましたか!?(周りに紅月Pがいなくてはしゃいでいますすみません) (2021年8月23日 22時) (レス) id: 85712587a7 (このIDを非表示/違反報告)
きなこ(プロフ) - 澪さん» はじめまして。嬉しいお言葉ありがとうございます!3割程妄想のようなものですが、続きを楽しみにしていただけているようで嬉しいです…!予想の通り、紅月箱推しです〜!ただ、歴は他の方より短いほうなので、口調等違うところありましたら是非ご指摘お願いします…! (2021年8月22日 23時) (レス) id: 7ac5a19944 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 初めまして!作品楽しく読ませてもらいました!続きが気になります…。ところで質問なのですが、作者様は誰推しですか?やはり紅月Pなのでしょうか?気になります!! (2021年8月22日 0時) (レス) id: 85712587a7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:きなこ | 作成日時:2021年6月30日 21時

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