菅原くんは弟と血がつながってない。【男主】

家族。34 ページ34

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Aはゼリーで口いっぱいになってしまったものの、なんとか咀嚼する。


その顔は間抜け以外のなにものでもない。

"彼"はゼリーでべたべたになった手を病室の角にある水道で洗い流した。


及川「ほら口のまわりまでべったべた〜!!及川さんのタオル貸してあげるから拭いて」


なんとか胃に流し込んだあと、及川が持っていたタオルでAの口周りを拭く。




及川「も〜、珍しく乱暴なんだから!!でも及川さんも見ててスカっとしちゃった」

岩泉「あと少しで俺がぶん殴ってるところだったぞ」

花巻「でも珍しいな、お前があんなことするなんてさ」


ハンドタオルで手を拭いたあと、彼は言った。



松川「うん、うるさい口があったからふさいじゃった」

及川「なんかまっつんが言うと意味深!」



ようやくAは落ち着きを取り戻す。

そして自分は何を言っていたのだろう、といった表情をしていた。


松川「どう、おいしかった?」

『はい、そりゃあまぁ…』

松川「おいしいもの食べてるときって幸せじゃん?」

『そうですね』

松川「それなら死ぬとか言わないでよ」




松川の主張はあまりに単純だった。

しかし

愚直な言葉はAの心にすぐに届いた。

張り詰めていた体から力が抜け、ぱたりとベッドへ倒れ込む。



花巻「こりゃ寝たな」

及川「相変わらずイケメンでむかつく!!」




でも

誰もがなんて優しい顔なのだろうと思っていた。





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