菅原くんは弟と血がつながってない。【男主】

家族。29 ページ29

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『…ありがとうございます』


口だけの笑みを浮かべて言った。

だが


『できるだけ迷惑かけないようにしますから』



俺の本当に言いたいことは伝わっていなかった。

いいや、もしかしたらわかっていて言っているのかもしれない。


家に帰ると、何やら話し声が聞こえてくる。

大人の声が、4人。



リビングの扉を開ければ、そこには自分の両親と知らない外人の男が一人。

そして



「…あら孝支くん、お久しぶりね」


少し見た目は老けたものの、美人であることに変わりはなかった。

Aの産みの母親。



菅原「…お久しぶりです」


軽く頭を下げる。

嫌な予感がした。


隣にいるAは怒っているのか悲しんでいるのか、よくわからない顔をしていた。


『なんでここまで来た』

「決まってるじゃない、…あなたを引き取りに来たわ」

『俺を勝手に捨てたくせに今さら何なんだよ…!!俺はあんたと一緒に暮らしたいとも思ってないし顔も見たくない!あんたたちのせいで俺の人生めちゃくちゃだよ!!』

「でもここにいたって孝支くんたちに迷惑が『だったら金だけ置いてけよ!!』



家中がしん…と静まり返る。

Aの母は今にも泣きそうな顔をしていた。




『…風呂、先に入らせてください』



パタンとリビングの扉が閉まった。





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