第20話 ページ23
少し息を切らしつつ湖まで向かう。橋の辺りで、湖を眺めていた凛月くんがこちらに気付いて、指先でおいでおいでをしていた。
『お待たせしてしまってすみません』
「いいよ〜……♪来てくれただけで充分なくらい」
夜だからだろうか、昼間よりも生き生きとしている。
『あの、ところで私に何かご用でしょうか？』
「まぁ、用ってほどじゃないんだけどねぇ。……見て、湖すっごく綺麗だよ」
そう言われて目の前の湖面を見る。月明かりに照らされてきらきらと光っている、司くんや凛月くんの言う通り、とても綺麗だ。
『なんだか、吸血鬼さんや狼男さんが出てきそうな雰囲気ですね』
冗談のつもりでそう言いながら振り向こうとすると、凛月くんは私の肩に顔を埋めてきた。その腕は私の腰を少し強く絞めるように回っている。
具合でも悪くなってしまったのだろうか。
「……糸」
凛月くんの吐く息がかかって少しくすぐったい。
私の肩で何が行われているかはわからないが、凛月くんの頭がもぞ、と動いた。
『凛月くん？』
私が名前を呼ぶと、はっ、となったように私から離れた。
「……やっぱり、なんでもない。呼び出してごめんね、セッちゃんたちもうるさいだろうし帰ろうか」
そう言って私の手を引きながら歩き出す凛月くん。
結局、何がしたかったのだろうか。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 181人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
桜乃茜(プロフ) - 卵焼きさん» 受験生同士頑張りましょう……！月組では凛月くん派です！気が合いますね！((( (2020年5月15日 22時) (
レス) id: 5ed7d96c32 (このIDを非表示/違反報告)
卵焼き - 桜乃茜さん» 受験大変ですよね…私も今年受験なので気持ち分かります…！更新は無理せず頑張ってください！影ながら応援しています！PS:月組、レオくんと凛月くんどっちが好きですか…？？ (2020年5月15日 20時) (レス) id: 5e8aefee95 (このIDを非表示/違反報告)
桜乃茜(プロフ) - 卵焼きさん» わわわっありがとうございます……！そう言っていただけるとこちらとしてもやりがいを感じます！嬉しいです！月組いいですよねぇ〜！今後ともよろしくお願いします！ (2020年5月14日 23時) (レス) id: 5ed7d96c32 (このIDを非表示/違反報告)
卵焼き - コメント失礼します！めちゃくちゃおもしろくて思わずコメントしちゃいました…！！凛月くん最推しなので嬉しいです！月組愛してるぅ〜！！！！ (2020年5月14日 22時) (レス) id: 5e8aefee95 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：桜乃茜 | 作成日時：2020年4月16日 21時
