天使姉弟の冥府浄化記 其の二

二十五章　戦いに終止符を ページ44

飛翔フォームとなって、地上界へ行ったハデスを追いかける。
地上で待っていたハデスは、足を復活させまた攻撃を開始した。

近づく弾は破壊して、爆発する弾がしっかり避ける。
やみくもに撃っても、倒す事が出来ない――――なんともめんどくさい。


――――――
――――。


ようやく倒したのか…？？
ハデスの口から『限界』の言葉が出る。口調もいつもと違う。

「とどめだぁ！」
突進したら、いきなり消える。
戸惑っていたら、上からハデスが両手でピットを潰した。



「………！！」
真・三種の神器が破壊され、ピットが落ちる。

『ピット！』
パルテナが自分の名前を呼ぶ。

「フハハハハ。案外脆いねぇ！」
ハデスが勝利を確信したように笑う。




地上に近づく。近づく。
このままでは落下して……人間だったら死んでしまう。天使だったらどうなのだろう。









・









・









――――――白い羽根が青く光る。
そして、ピットは空で体勢を立て直しふわり。と着地する。

『え…？？』
『そんな、私は飛翔の軌跡をかけてませんよ！？』
女神の驚きの声。

“ピットは自力で飛べない”。

じゃあ、誰が？……簡単な話だった。



「へーぇ。君だったんだね。




　Aちゃん。」


ピットのような短い髪。
胸を押さえつけていた布は、身に着けていた服が破けていたのか一緒に破けている。

「…………今だけは。私…いや、“僕”は。

　パルテナ親衛隊長、ピット。
　冥府の王、ハデスを討伐する者だ。」

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