天使姉弟の冥府浄化記 其の二

外章　最終決戦の前に。 ページ41

無事に、新しい三種の神器――――巨大ロボのような神器を手に入れたピット。
もうそろそろ、ハデスとの最終決戦となるだろう。



―――――「姉さん。」

扉の向こうからピットの声が聞こえた。
扉を開けると、真っ赤に目を腫らしたピットが枕を持って立っていた。

A「ピット……？」
ピット「こ、怖いんです。もし……ぼ、僕がハデスに負けたら…っっ。
　 僕のせいで…めい、ふに…ちじょ…うも天界、も……支配さ、れ…たらっ。

　 そんな事考えたら…怖くて…！」
A「………入れ。」

部屋のベッドに座らせる。
ピットはやはり、怯えていたのか…。そうだな、“天使が神を討つ”という前代未聞な事をしなきゃいけないんだったな。
……一人に背負わせるなんて、酷いものだ。





“一人に背負わせる”。



A「ピット、もう寝ろ。」
ピット「えっ？姉さんは…？？」
A「安心しろ、少し用事を思い出しただけだ。
　 それに、一緒に寝てやる。…だから、ちゃんと休め。」
ピット「………はい。」
毛布の中に潜りこんで数分後、とても可愛い寝息が聞こえてきた。



これで、良い。もう…ピットに全部背負わせない。





……次は私が守ってやる。

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