天使姉弟の冥府浄化記 其の二

十六章　オーラムの脅威 ページ15

パルテナ『この先に、戦艦を生み出している要塞があります。』
ピット「戦艦を“生み出している”……？
　 “発進させている”じゃなくてですか？」
パルテナ『あ、そうですね。
　 まるで蜂の巣のようだったので、つい。
　
　 人数が少ない私達は、単騎駆けで大将の首を取るしかありません。』

さっきから、暗い色の球体が気になる。
そして、緑色の流星――――オーラム軍・ローが捨て身タックルしてくる。
どうやらオーラムの名前は口で発音できないが、似た響きの言葉で表せるらしい。


ナチュレ『あのオーラム……。見るが良いわ。
　
――――――冥府のミックやモノアイにそっくりじゃ。』
何処からか、オーラムの様な電子的姿のミックとモノアイが出てきた。
ハデス『サクッとコピーしたと。やるねぇ。』
ナチュレ『ヤツラめ。
　 星を吸い取るだけではなく敵軍を模倣して進化していくらしい。』
パルテナ『もしや、宝箱やビートルもコピーした物なのでしょうか……。』
ナチュレ『なんとも言えん。』
ハデス『ま、ミミッ子ちゃんはウチからのプレゼントだけどね。』
A「お前か…。」


浮遊大陸に近づく。
突起をかいくぐれば戦艦群から身を守れるとか。

その突起は、高いビルのような物。
そして、その突起群の中に巡洋艦が無理やり入りこんでくる。凄い。

戦艦にはブリッジのような物が存在しないらしい。
操舵室も生き物の気配すらも無い。……だからってからくり生命体は居ないだろ、ナチュレ。


―――――
―――。

戦艦の弱点が剥き出しになっているのは、パルテナの奇跡の賜物だと言う。
『建造物の核や動力に直結する伝道質の巨大マーカーを付ける』――――『弱点さらしの奇跡』
名前はともかく、効果は絶大だ。足止めとして。

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