王と騎士とお姫様【月永レオ】 (ページ3)

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運命の分岐点までページ3

無事、教室まで辿り着けば時刻はホームルーム始まる10分前。

既にほとんどのクラスメイトが登校していて、その中にはKnightsが誇る騎士の1人、"彼ら"の中の1人である、鳴上嵐も居た。

「あらやだ！？今日はAちゃんも遅いと思ったけど凛月ちゃん達と一緒だったのね〜？」

ヘトヘト…と言ってあの後ダウンしてしまった凛月くんを抱えながら登校してきた真緒くん。

せめて少しはサポートさせて！と荷物を3人分、両腕に抱えてきた。
もちろん、夢ノ咲のお姫様に持たせれるわけねぇよ！？って最初は断られた。

だが、あたしだって何もしないばかじゃない。
その"夢ノ咲のお姫様"権限を使って言うことをきかせたあたしは天才♪

が、やはりあたしも女の子なわけで。
重いもんは重いから、多少汗をかいての登校となってしまったのは事実。

それに気づいた嵐ちゃんが、急いでこっちに駆け寄り荷物を全部かっさらってくれる。

きっとKnightsの中で1番大人びている彼は中々に頼れる騎士。

「ぐえっ！？…ちょっと、ま〜くん？俺の扱い方日に日に雑になってきてない…？」

「悪い悪い…って元々お前が歩かないからAが荷物全部持ってくれて、こうなったんだろ！？…ごめんな、A。」

どうやら半ば強制的に席に座らされたのか"ぐえっ"なんて彼らしくない声を上げた凛月くん。

真緒くんは凛月くんをぽーい♪ってしてあたしの所へ駆け寄り音速のように頭を下げながら嵐ちゃんの持ってる荷物を受け取っていた。

『(さすが苦労人…音速土下座もいつか見てみたいな…今度、あることないこと捏造して音速土下座してもらおうかな…)』

「A…？お前、今よからぬこと考えなかったか…？」

『ん？…えへへ、まさか♪』

あざといくらいの懇親のえへへ♪とみんなの言う"お姫様スマイル"をかます。
すると真緒くんは「お、おお！だよな！」って顔を少し赤くしてキョドった。

「相変わらずAちゃんは、自分の立ち位置を上手く使うわねぇ…お姉ちゃん、たまーに貴女が恐ろしく感じちゃうわ♪」

なんてキャッ♪てしてる嵐ちゃんだって、あたしはたまーに恐ろしく感じる。
意味は…色々あるけど。あまりにも察しが良すぎて、ね。

教室でもだべって居れば、予鈴がなり始める。
この時間に次席に座っていないと遅刻扱いをされるため、みんな慌て始める。

今は6月。
運命の分岐点まであと3ヶ月。