王と騎士とお姫様【月永レオ】 (ページ18)

今日:30 hit、昨日:12 hit、合計:124,654 hit

お披露目ライブページ18

『Knightsとしてのお披露目ライブ…？』

「そう。あんた、デュエルにだって出れなかったでしょ。本当ならあれが通過儀礼みたいなもんなんだけどねぇ？どっかのボンクラ皇帝が加入申請許可先延ばしにするからさぁ？チョ～うざぁい！」

あの人の裏の顔を見てしまった気がした先程の出来事。
そこを含めて考えれば、あたしの加入申請許可が遅かったのも、仕組まれていた事なんじゃないかって思わず鳥肌が立ってしまう。

『通過儀礼って言えば。さっき凛月くんも似たような事言ってたよね。』

ねえ、凛月くん？と言葉を投げかければビクッと肩が揺れる。

「あ〜…うん、そうだねぇ…。まあ、エッちゃんと顔合わせると何かと大変だからね〜…？この学院の通過儀礼…みたいな。」

規模が違いすぎた。

ただ、その皇帝陛下から聞いたのは、お披露目ライブをfineとしてやらないか、ということ。
多分、このライブのことなんだろうな。断って正解だった。

そもそも、今のKnightsのリーダーみたいなのは泉さんなので、仮にユニット名を出されず、お披露目ライブをしないかい？と聞かれたところで、答えは変わらない。

ユニットメンバーに承諾を得る前に本人が完全にＯＫしてしまうとトラブルを招くと恐れて。

。
。
。

お披露目ライブは重大発表だったらしい。

その後はステージの広さだとか、客席数、おおよそのセットリストなど、大雑把ではあったけど説明を受けた。

ライブまで時間なんて全くなかった。

それこそ、明日ーとかでは無いことが有難かったけど、本番はなんと一週間後。

なんでも、何かのイベントと共に、あたしのお披露目ライブをするらしい。

全て一昨日決まったことで、スタッフさんも大忙し。

1番忙しいのはあたし達Knightsだった。

4人で振り分けられていたパートを5人分にして、割り切れない人数を如何に綺麗に見せるか。
如何にあたしを大きく見せるか、みんな頭をひねらせる。

そのあいだ、あたしは1人でみんなのライブ映像をみて、それを真似て自分の体に叩き込んでいった。

ワンオクターブ高くしないと出ないパート。
男性キーに合わせるのは辛かったけど、一週間経とうとする頃には気にしなくなった。

Knightsの中に名前を刻む瞬間のため、あらゆることを頑張った。

そして、お披露目を兼ねたどこかとの合同ライブ。

" サマーライブ "

運命の分岐点まであと2ヶ月。