王と騎士とお姫様【月永レオ】 (ページ15)

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苦労人とお姫様ページ15

本来なら、今頃、通称セナハウスで、ユニット内ミーティングをしているはずだった。

きっと泉さんのことだから、カロリー低めのお菓子とお茶を用意して待っててくれてるんだろうなぁ…。

あーあ。なんでこんなことになってんの？

時を遡ること数10分前。
。
。
。

「凛月ちゃん、この後Knightsのミーティングよ！多分、アレだから、しっかり来てねぇ？」

「んん…ふあー…ふ♪あー、アレね。りょーかい、ゆっくりだけどちゃんと行くよ〜…♪」

嵐ちゃんと凛月くんのそんなやり取りを横目で見ながら、あたしもイソイソと準備を始める。

すると、ぴーんぽーんぱーんぽーん♪って在り来りな校内放送チャイムが鳴った。

＜んんっん。あー、2年B組神無月A。今すぐ生徒会室に来い。急用だ。…全く度し難い＞ﾌﾞﾁｨ

『んふっwwww』

この時クラス全員がふいた。

何故だろう、名指しまでされたのにとてつもなく笑えてくる。
きっとあの、度し難いのせいだ。

ひとしきり笑い転げた頃、時を同じくして、凛月くんも呼吸を整える。

彼も大爆笑をしていて、死にかけだった。
が、急にｽﾝｯといつもの眠たげな顔になり、あたしを見つめて、「俺は面倒だからお供にはいけない。通過儀礼だから頑張って」と手を横に振り、彼とは思えないスピードで教室を出ていく。

あまりにも速かったので、嵐ちゃんに目を向ければ「あ！あたし、司ちゃんをお迎えに行かなきゃ〜♪またね、Aちゃん♪」と小さな汗を流しながらイソイソとこの教室をあとにする。

『…なんで！？！？』

初めて置いてけぼりにされたあたしは、為す術なく、撃沈。

ガックリと肩を落とすと、どんまいというように後ろにいた真緒くんがポンっと肩に手を置いてくれた

「あー、俺生徒会だしさ。一緒に…いくか？」

苦笑しながら荷物を持って来た彼は神様なのでしょうか。

『…行きます。』

名指しをされてしまった以上バックれるわけにも行かず、泉さんがあたしは生徒会に呼び出されたという事さえしっかり分かってくれていれば、こっちとしては、なんの問題もない。

そう、問題もないはずだったのだ。

あー、来てしまったことを尽く後悔する。

セナハウスでミーティングしたい(遠い目)