Cinderella.57 ページ21
｢英智！…いま何時だ！間に合ったか！！！｣
勢いよく開いたスタッフ通用口の扉
そこには肩を支えられながら、血色の悪い顔で笑みを浮かべるA
｢A！！｣
『およ…あ…泉先輩だァ…酷いなぁ、助けてって言ったのに来てくれないんだもん…』
｢はぁ？何言って…｣
寝ぼけたようなことを言うコイツの頬を触ればめちゃくちゃ冷たい。
唇は青白いし目の焦点も合ってない
｢真緒、悪いんだけど毛布を持ってきてくれるかな？凛月くん、月永くん…2人にはステージの上でひと茶番して時間を稼いでもらおう。きっとこの子は自分の仕事は全うしたいはずだからね。｣
｢わかりました！｣
｢はーい、了解〜♪｣
｢皇帝のくせに指図すんな！うわっ、リッツ苦しい！引っ張らないで！｣
またバタバタと騒がしくなる舞台裏
近くの椅子にAを誘導して持ってきた毛布をかけてあげれば、あったかい、と顔を緩ませた。
…こんな時までそんな可愛い顔しないでくれる。チョ〜うざぁい。
｢あんた、今の今までどこにいた訳？全部隠さず話してもらうけどぉ？｣
目線を合わせて問えば黙るA
でもそれは一瞬で、直ぐに何かを覚悟した目付きになった
『閉じ込められてました。機材室に。…彼女が鍵を閉めちゃって。』
やっぱり。
指をさされた転校生は膝から崩れ落ちて泣き始めた
よかったねぇ、れおくんがいなくて。いたらあんた今頃ボコボコにされてるよ。
『ただ…その…壊しちゃいました、機材室の鍵』
｢なに！？｣
てへ☆とおちゃらけるAの発言に誰よりも早く反応したのは蓮巳だった。
お疲れ様、後処理頑張って。
｢ふふ、君は見た目に反してパワフルだね。その顔色ならお願いしていた仕事も出来そうかな？｣
『もちろんです！』
スっと立ち上がり、マイクを片手に舞台袖へ
ちょうど、くまくんとれおくんが｢もうネタ尽きた｣なんて早くも根を上げてきて、Aとバトンタッチをしていく
こちらを振り向き宝石のような琥珀色の髪を揺らし、吸い込まれるような深海の瞳を輝かせ、太陽のような笑顔で彼女は言った
『最高のステージにするには、甘えは邪魔で妥協するなんてありえない！…そうですよね？』
その視線は真っ直ぐ俺を見すえて
｢…当たり前でしょお？俺が直々に教えてあげたんだから、ちゃんと役割果たしてきてよねぇ？｣
途中でアンタが倒れたって俺が庇ってあげる。
その図太さだけでも、褒めてあげるよ。
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さゆな(プロフ) - 空麦さん» ありがとうございます！と言いつつ続編また出来ちゃいました...笑 これからもよろしくお願いします！ (2019年6月25日 23時) (
レス) id: b90089acae (このIDを非表示/違反報告)
空麦 - 元、麦ちゃんです♪続編おめでとうございます!!本当に、面白いです♪これからも、頑張ってください。応援してます！ (2019年6月24日 20時) (レス) id: ad939e8b4e (このIDを非表示/違反報告)
さゆな(プロフ) - 零さん尊いさん» ひええ！ありがとうございます！そろそろ終盤なんですー！頑張りまっす！ (2019年6月20日 20時) (レス) id: a613cbb65f (このIDを非表示/違反報告)
零さん尊い - 続きが気になります！無理をしない程度で頑張ってください！ (2019年6月18日 23時) (レス) id: f191d1a880 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さゆな | 作成日時：2019年6月17日 16時
