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天使.16 ページ18

*

「うっげ、兄者…なんでここにいんの。」

「おお、凛月ではないか。この頃の凛月は若いのう」

「レイ、お前まさか…」

「我輩は未来の朔間零。見破ることが出来んとは凛月もまだまだじゃの♪」

「わかりたくも見破りたくもないわ失せろ。」



スタジオに入ってきたのはリッツの兄貴、朔間零
どうやら未来の方らしい

未来ってことは40代とか30代とかだよな?
なんで制服着てんだ…


「レイ、Aを見つけた。そろそろ帰らないと。」

「ああ、そうじゃな。ってことで我輩ら帰るわ♪」



「「「「「いやいやいや、まてまてまて。」」」」」



おれたちの声が重なり、花唄を歌っていたレイの手が止まる
そして、その紅い瞳はこちらを向きおれたちを見つめた

数秒の後、レイは口を開く


「言いたいことは分からなくもない。じゃがのう、この子は未来の子なんじゃよ。ここで育てていく訳にもいかん。」

「そんなの俺達でも分かってるんだよ、兄者。」

「私たちはfutureの世界の私たちを知る権利があると、先程も言いました。」

「それにぃ?勝手に俺達に押し付けといて、なんの見返りもなく"帰ります"はおかしいんじゃないの?…別にいらないけど。」

「泉ちゃんもみんな、素直じゃないんだから…でも、同感だわぁ。」



おれたちは引き下がれなかった
もちろん、全員頭の中で「Aはここで生きる人間じゃない」ってことは分かってるんだ

だけどさ

たった1ヶ月
それだけでも、おれたちの中でAは大きい存在になったんだ

急にリッツの上に降ってきて、最初はもちろん戸惑ったし、皇帝と手を組まなきゃいけなくて嫌だった時もあった


「…れて、くなよ。」

「れおくん?」

「連れてくなよ、嫌だよおれ…嫌だ!ヤダヤダ!これは王さま命令だ!Aはここに居るんだ!」

『れ、れお兄さん…』



居た堪れなくなって、おれはスタジオを飛び出す

やっちゃった。わがままだ、こんなの。

直ぐに忘れる

アイツがいなくなって、おれたちはいつも通りの日常とライブを重ねて

きっとAのことは直ぐに忘れる


でももう遅いんだよ
もっと早くにアイツを迎えに来てくれていたら

もっと早くにアイツとの別れが来てくれていたら



おれ、こんな寂しくならなくてよかったじゃんか!

おれのバカ!!
情が移ったおれのバカ!!

未来のおれのバカ!!
迎えに来るのが遅いんだよ!!!


「………っ…クソ。」


おれは廊下の隅でうずくまった


.

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夢花(仮垢) - はよ!はよ!!!(ゆうたくんと同じクラスなの嬉しい((殴 ) (2019年7月9日 10時) (レス) id: 1ce7d18474 (このIDを非表示/違反報告)
さゆな(プロフ) - 夜月さん» 夜月さんこんにちは!私です!ww幼女にするか悩んだんですよ...ありがとうございます!更新頑張るのでよろしくお願いします!! (2019年7月2日 11時) (レス) id: b90089acae (このIDを非表示/違反報告)
夜月 - 誰かと思ったら貴方様でしたかwシンデレラの方も見てます♪今回は…レオ(knights)中心なんですかね?いやーレオが叔父さんw想像つかないw私に天使が舞い降りたにタイトルが似てたので幼女かな?って思ったらまさかの物理的()こっちも展開楽しみにしてます♪ (2019年6月30日 12時) (レス) id: 3bb4ad65c6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さゆな | 作成日時:2019年6月29日 8時

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