先輩×後輩=(？)【朔間凛月】 (ページ18)

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「ふーん。衣更とAがねぇ。」

昼休みが終わるチャイムを他所にせっちゃんは机に頬杖をついた

珍しいねぇ、あのせっちゃんが授業サボるなんて。

「言っとくけど、くまくんのためってより次の授業が歴史のおじいちゃん先生だったから眠くなるのを避けるためだから。」

俺の心を読んだみたいに言ってくれちゃってさ。
そーゆーところだよ、せっちゃん(何が)

とまあ、そんな訳でかくかくしかじか事情を軽くいえばもっと詳しくと食いついてきたせっちゃん。

場所をスタジオに変えて、さらにかくかくしかじか事情を説明して冒頭に戻るってわけ～。

「その話的に、Aはライブ後に告るって話だったんでしょ？」

「ん～、そうなんだけど。あくまで俺の予想だったわけで…？見事にその予想は外れたよね～」

「ふ～ん。」

さっきからせっちゃん、ふーんばっかだけどまさか本当に俺の心配は二の次だったりする？これ。

ええ、それだったら俺悲しいなぁ。

「くまくんの想いに気づいてなかったわけじゃないけど、本人の口から言われると小っ恥ずかしいよねぇ。」

「ええ…？せっちゃんのその世話焼きが俺にこの話をさせたんでしょ…」

やれやれとため息をつくせっちゃん。

待って、気づいてなかったわけじゃないけどって。

え、俺そんなに分かりやすい？そもそも俺まだあの子が好きとか認めたわけじゃ…

「今更、こんだけあの子のこと気にかけておいて俺は好きじゃないとか言わせないから。…ったく、アンタら拗らせ過ぎだねぇ。」

「は…拗らせ過ぎとかさっきからセッちゃん日本語喋ってる？その言い方まるで」

まるであの子が俺に気があるみたいな。
セッちゃんはそれを知ってるって。

そんな感じじゃん。

「くまくんがあの子の事で胸が痛くなるのも好きだからなんでしょお？さっさと認めることから始めなよ。」

片手にスマホをもってこっちには目もくれず語るセッちゃんは

ちょっとムカつくけど言ってることは間違いなくて

よくよく思い返せば、…まあ、そうだよねぇ。

あの子のこと、割と気にかけてたし。最初はほんの少しの好奇心で近づいただけだったんだけど。

あの子の恋が上手くいけばいいなぁ、その手伝いができたら俺偉いなぁとか。

普段奇行に走るあの子でも女の子な一面があるんだって知って

また興味がそそられて

「くまくん？」

「やばい、セッちゃん…俺、Aが好き…」

いつの間にか恋するAに恋してたんだ。