先輩×後輩=(？)【朔間凛月】 (ページ11)

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｢あ～、王さまじゃん…｣

｢…リッツおまえ何してんの？｣

｢見てわかる通り、なんでかアンタの妹を組み敷いちゃった～…王さま、ちょっと俺の事どかして～…｣

｢はぁ？？自分で………あー、わかったわかった。おまえも大変だったな。｣

｢うん～…。｣

王さまは全てわかったように、俺に手を貸してくれる

仮にも自分の妹が襲われかけたって言うのに。

｢リッツ、ソファに荷物置いといたから確認してきて。おれ、A起こすから。｣

｢あ、うんありがとう～｣

俺は言われた通り、ソファの上にある3つのカバンから自分のを見つけだして中身を確認する。

なにか持って帰らなきゃいけなかったモノはないし、大丈夫だね。

｢おーい、起きろよ。A、リッツのお見舞いにきてんのにおまえが寝てどーすんの。｣

『うう…ん…』

｢はー、ダメだなこりゃ。｣

カーテン越しに諦める王さまの声
俺はそれをシャッと開けて、元通り隅の方でまとめた

｢リッツ～、こいつ起きないからおぶってく。悪いんだけど玄関まで荷物持ってくんない？｣

｢もちろんいいけど…その後大丈夫なの。王さま、潰れそう｣

｢ふふん！おれを舐めるなよ～？こんな時のために筋トレはちゃーんとしてたから！｣

｢いや対策幅広すぎ。｣

｢当たり前だろ。大事な妹のためなんだ。…リッツ、今回の件は仕方ないから見逃してやる。2度目はないと思えよ。｣

｢…うん。｣

月明かりに照らされるライトグリーンの瞳は、俺に釘を刺すように見つめてくる

大事な妹なら

仕方ないからってどうして見逃してくれるんだろうね。

｢よっこらせ…うーん、成長したなぁ。重くなった！｣

｢それAが起きてる時に言ったら死語だよ、王さま｣

｢え、ダメ！？お兄ちゃん、妹の成長を喜んでるのに…｣

俺は3つカバンを持って、王さまはAを背負って保健室を後にする

途中、警備の人に｢保健室の鍵が開いているから｣と伝え1階に降りていく

あーあ、俺完全にやらかしたかなぁ

なんて心の中で後悔はしてるんだけど。
未だになんで自分があんなふうになったのか検討がつかない

誰に相談すればいいかもわからない。

まーくん？
ま～くんはAの好きな相手でしょ？

セッちゃん？
えー、怒られそうだしやだなぁ

ナッちゃん？
うーん、パス()

じゃあ

俺は誰にこの気持ちを話せばいいわけ？

｢リッツ？｣

ああ、ほらまた。
Aを見れば泣きたいくらい心臓が痛くなる

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