甘々イチゴ【すとぷり短編集】

遠い夢の中【莉犬】 ページ35

夏祭りパロ
自己解釈が含まれます
死ネタがあり
苦手な方はブラウザバック推奨です

‐‐‐‐‐‐

ーAsideー

『はぁ…』

私は今なぜか地元の夏祭り兼花火大会に来ている

事の発端は数十分前

‐‐

母｢地元来たのに友達とお祭り行かないの？｣

やっべ、友達に会うことにしてこっちに来たんだった
まぁ本当は彼氏と別れたからなんだけど

『あーそうだった！』

母｢そうなら早く言ってよー｣

『え』

‐‐

というわけで勝手に着付けされ、浴衣でお祭りに来ている

『どうしようかなぁ』

｢あれ…A？｣

久しぶりに聞くこの高い声は…幼なじみの…

『莉犬！』

｢なんでいるのー？｣

『ちょっと実家に来てたんだけど、親がせっかくだからお祭り行ってきなって』

｢えー！俺も！ねぇ一緒に回らない？｣

『うん！』

久しぶりの君の笑顔になんだかほっこりした

けど

なんか引っかかる気が…

｢A？行こ！｣

気のせい…か

『うん！』


莉犬が金魚すくいに夢中になっている

｢よっしゃ！！…あれ！？｣

『取れてないしw袖濡れてるw』

｢あははwほんとだw｣


りんご飴、射的、わたあめ……

｢あ、みてA！｣

『ん？』

｢お面だよお面！｣

『ほんとだ』

｢あの狐のやつかっこいいなぁ｣

『いいじゃん買いなよ』

｢買おうかな…おじさんこれ1つ｣

おじさん｢はいよ！｣

｢ありがとうございます！｣

『似合ってる！』

なんか凄い似合う…笑

｢あ、A！花火見に行こ！いいとこ知ってるんだ！｣

『え！？』

いつの間にか手首を捕まれ、引っ張られていた

‐‐‐

しばらく歩いていると

おじさん｢そこのお嬢ちゃん！｣

と声をかけられた

気になって、近寄ると引っ張られた莉犬が

｢わっ！｣

と言いながら近づいてきた

おじさん｢2つ余っちゃったからおふたりさんやらない？｣

『やりたいです！』

おじさん｢じゃあこれ。火もあげるね｣

『ありがとうございます』

お礼を言うと莉犬に

｢線香花火もらってるw｣

と笑われた

『どっちが長くできるか勝負』

｢うん｣

2人で火がついた線香花火を静かに見つめる

｢ねぇ｣

莉犬が口を開く

『ん？』

｢…彼氏と別れてこっち来たんでしょ｣

『…よく知ってるね』

｢……え！？もう落ちたw｣

『はやっ』

｢…幸せに出来なくてごめん｣

『あっ落ちた！！！』

莉犬の言葉が私の声に被ってしまって聞こえなくて聞き返そうとしたが

｢花火始まっちゃう！いこ！｣

と誤魔化された

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