088：接近禁止令 ページ39
一体何をどう勘違いしたら、私がソヌを好きだなんて事になるんだろう。
しかもジョンファン本人にまで勘違いされてしまうなんて…
「何でこうなるかなっ!!」
独り言にしては大きな声が出てしまい恥ずかしくて周りを見回したけど、
運良く誰も居なくてホッと胸を撫で下ろした私。
少し冷静になろうと立ち止まって考えてみたら、落ち着くどころか益々腹が立ってきた。
だって、私の気持ちに気づきもしないでソヌとの事を応援するとか言っちゃって、
私はこんなにジョンファンの事が好きだっていうのに…
「本当…鈍感過ぎ…」
あまりにも鈍感過ぎるジョンファンに呆れながらまた歩き始めると、
「Aー」と言う声が聞こえて自転車に乗って追いついたソヌが隣にやって来たけど、
私はまるでその声が聞こえて無いかの様に無言で歩き続けた
SN「おーいAー?Aさーん」
「……」
SN「なんだよ、
またジョンファンとなんかあった?」
「……」
SN「おーい」
「……」
SN「無視するなよっ」
無視される事に絶えかねたソヌがそう言いながら私の肩を掴んだ瞬間、
「ソヌのせいだからね!!」と立ち止まって言い放った私。
怒ろうとしたら逆に怒られたもんだから、ソヌは驚いて固まってる
SN「な、なんだよいきなり…」
「もーっ!!全部ソヌのせいだっ!!」
SN「ちょっ、何がだよ!!ちゃんと説明しろよ」
「いいっ、もういい!!」
SN「あーもうっ、面倒くせぇなぁ…
はいはい、俺が悪かったです」
「これで気がすんだか!?」なんてため息を吐くソヌに食って掛かろうと思ったけど、
きっとこういうのがダメなんだ。
こうやってソヌと一緒に居るから疑われるんだ…
「今日から私に近づかないで」
SN「はぁ!?」
「半径2メートル以内に近づくの禁止っ!!」
SN「は?…ってかそんなの無理だろ」
「無理でも禁止なのっ!!」
SN「なんだよそれ、意味わかんねぇ」
「だってそうでもしなきゃ
私がソヌの事好きだって思われちゃう!!」
SN「は?何それ?どういう事だよ」
「だから…ジョンファンは
私がソヌの事好きだって思ってるのっ」
頬を膨らませながら私がそう言うと、なぜか急に笑い出したソヌ。
笑い事じゃないと怒りを露わにする私を見ても、まだ爆笑してて…
真剣に悩んでる私の前でこんなに笑えるデリカシーの無いやつがどうしてモテるのか、
やっぱり私には全く分からなかった
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作者名：のん | 作成日時：2016年5月17日 21時
