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089:誤解されない方法 ページ40

-ソヌside-




女子「あの…私ソヌ君が好きです!!
  付き合ってくれませんか…」




一体これはこの学校に来て何度目の告白だろう…
もう数えるのも止めてしまったこの場面を、俺はいつものセリフで断った




SN「ごめん、俺好きな子居るから」




その言葉を聞いて、名前も知らない子が涙ぐみながら走り去って行く光景を見ても、
何も感じなくなってしまった自分は自分でもどうかと思う。
だけどどれだけ沢山の人に好きだと言われても
自分が好きな人から好きだと思われないと何の意味もなくて、
本当に好きな人からは全く見向きされてない俺は、
きっと誰よりも、走り去って行くあの子達の気持ちが分かってる気がする…




・・・・・・・・・・・・・




SN「Aー」




自転車に乗って帰っていると、先に帰ったAに追いつき声をかけた。
どう考えても聞こえる距離で何度も名前を呼んでるのに、なぜか無視して歩き続けるA。
何が理由か分からないけどどうやら怒っているみたいで、
“ソヌのせいだ”なんて身に覚えもない事を言うもんだから
とりあえずその場しのぎで謝ってみたらかえって火に油を注いでしまったらしく、
「私に近づかないで」なんてさらに怒りをかってしまった




SN「なんだよそれ、意味わかんねぇ」




近づくななんてさすがの俺も少し傷ついたけど、
ちゃんと話しを聞いてみると怒ってる原因はやっぱりジョンファンらしい




SN「プッ」




俺の事が好きだと勘違いされるなんて、あまりにも面白過ぎる話しに爆笑すると
「もーっ!!笑い事じゃないのに!!」と、Aはさらに怒りを露わにしてる




SN「何でそんなに怒ってんだよ」




「何でって当たり前でしょ!?
 ジョンファンにまで誤解されるなんて…」




SN「はぁ…あのなぁ、こういう事は
  気にしてると余計怪しく見えるんだよ」




「……どういう事?」




SN「だから、お前が焦って反応するから
  皆も勘違いするって事だよ」




俺がそう言うとバカみたいな顔をしながら、「そうなの?」なんて首をかしげるA




SN「そうだよ、そういうもんなんだよ。
  だからこれからは堂々としろ、
  焦って弁解なんてしたら
  余計誤解されるのがオチだぞ」




「うーん…確かにそうかも…」




どうやら俺が言った事を理解して怒りも収まったらしく、
「なるほどね」なんて独り言を言いながら頷いてるAを前に、俺は大きなため息をついた





 

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作者名:のん | 作成日時:2016年5月17日 21時

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