好きな人には他に好きな人が居ます 2 (ページ41)

今日:9 hit、昨日:1 hit、合計:20,591 hit

090：興味の有無ページ41

-ソヌside-

「本当に大丈夫だよね!?
　堂々としてれば誤解されないよね!?」

自転車を押しながら歩く俺に、さっきから何度も同じ事を聞いてくるA。
そんな言葉に俺は「大丈夫だって」とため息交じりに答えたけど、
このため息は何度も同じ事を聞かれてる面倒くささから来たものじゃない。
俺の事が好きだと思われるのがそんなに嫌なのかって、ちょっと凹んだだけだ

「…よし、私堂々としてる!!
　さっきの接近禁止令も無しね」

SN「はいはい…ってか、
　 “私に近づくな”なんて
　どうしてそういう事になるんだよ」

「だって…いつも一緒に居るから
　勘違いされるんだと思って」

SN「んな事言ったらジョンファンだって
　いつも一緒に居るだろ。
　それに席が隣りなんだから
　近づかないなんて無理なんだよ」

あまりにもバカ過ぎるAの考えにそう言うと、
「…あぁ言われてみれば!!」なんて、頭にランプを灯しながら納得してるA

「あ、そう言えばさ、ソヌ告白されたの?」

急に話題が変わったかと思うといきなりそんな話してくるAに、なぜだか俺の目が泳いだ

SN「はっ?な、なんで…」

「何でって、ジョンファンが
　絶対そうだって言ってたから」

SN「あ、あっ…そう…」

余計な事ばっか喋りやがって…と、ジョンファンに怒りを感じながらも
Aの反応が気になって仕方がないのは、Aとこういう話しをするのが初めてだから。
今までそんな事聞かれた事がなかったからなんだか変な気分で、
別に悪い事もしてないのに挙動不審になってしまう

「…で?されたの?」

SN「え?……あぁうん」

内心ドキドキしながらそう答えた俺の言葉に、「へー」とだけ返すA。
あまりにも関心なさげなそのそぶりに、俺は少し傷ついていた。
だって、普通もっとリアクションするだろ、
どんな子だった?とか、なんて答えたの?とか…普通はそういう事を聞くと思う。
なのにAは“へー”とだけ言ってスタスタと歩き続けるだけでそれ以上何も聞いてこないし…
俺がなんて返事したか気にならないのか、俺がＯＫするなんてありえないと思ってるのか…
それとも、俺の答えなんて興味がないのか…そんな事を考え続けて勝手に傷ついて行く俺の心。
俺の事を友達としか思ってないのは分かってるけど、
ジョンファンの十分の一、いや…百分の一でもいいから興味を持って欲しいなんて、
ただの我儘なんだろうか…

　