好きな人には他に好きな人が居ます 2 (ページ38)

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087：とんだ勘違いページ38

「本当にモテるんだ」

モテるとは聞いてたけど、私にとっては友達だからよく分からないし、
そういう話しを聞くと不思議に感じてしまう

JF「僕も何回かソヌのああいう場面見てきたから
　ピンと来たんだ!!確かあの子
　バスケ部の練習も見に来てたし」

「へー…」

ジョンファンにそう聞いてもまだしっくりこないけど、
少し客観的に考えてみれば、まぁモテても可笑しくないのかなって思えて来る。
だって、顔はカッコイイ方だし運動も出来る、
イジワルな所もあるけど基本性格も良いし、総合的には悪くない。
…なんて、そんな事を考えていた私をジーっと見てくるジョンファンの視線に振り向いた

「…なに?」

JF「Aさぁ…ソヌの事好きなんでしょ?」

「…はぁ!?」

内容が急展開過ぎるし、そもそも何でそうなるんだと色々驚き過ぎて私が言葉を失っていると
「ソヌが好きなら教えてくれれば良いのに」なんて言い出したジョンファン

「えっ、いやっ…ちがっ」

JF「スヨン先輩に聞くまで
　知らなかったなんて凄く寂しいよ」

「…先輩に…聞いたの?」

JF「うん、Aはたぶんソヌが好きだから
　応援してあげようって先輩が。
　早く教えてくれれば僕だって応援するのに」

「いやっ!!だから違うってば!!
　ソヌの事好きなんて思ってないよ!!」

JF「別に照れなくても」

「照れてるとかじゃなくてっ!!
　本当にに違うの!!」

JF「本当に?ソヌの事好きじゃないの?」

「本当!!本当に違う!!
　好きだと思った事なんてないから!!」

全身に汗をかきながら必死に否定する私に
「まぁ…違うなら違うで良いけど…」なんて見て来るジョンファンの目はまだ疑っていて
私の話しをひとつも信じてくれてなさそう…
これは絶対に、完全に信じてもらえるまで誤解を解かなきゃ!!と意気込んだけどもう手遅れだったらしく、いつの間にか私達はお互いの家の分かれ道に着いてしまい
「じゃあまたね!!」なんてジョンファンは笑顔で手を振っている

「うん…またね」

JF「A…いくら仲がいいからって
　好きなら早く気持ち伝えないと、
　ソヌを誰かに取られちゃうよ」

「…はぁ!?」

JF「じゃ～ねぇ～」

「ちょ!!ちょっとっ!!」

私に言い返す隙も与えずに颯爽と走り去っていくジョンファン。
その後ろ姿に、私が好きなのはジョンファンだ!!なんて叫べるはずも無く、
私は静かに地団太を踏んでいた

　