好きな人には他に好きな人が居ます 2 (ページ36)

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085：何でも話せる背中ページ36

花火も全て終わってしまい、もう帰ろうと片付けを済ませて公園の出口へと向かった私達

SY「じゃあ私はこっちだから、
　 3人とも今日は本当にありがとう」

公園を出た所で、1人だけ帰る方向が違う先輩が私達の方を振り向いてそう言うと
「僕送って行きます」なんて意気揚々と名乗り出たジョンファンに、
先輩は「大丈夫だよ」と笑って返した

SY「そんなに遠くないから1人でも」

JF「いや、もう暗いし1人だと危ないから
　僕が送って行きますよ」

そう言ったジョンファンに「ありがとう」と先輩は微笑んでいて…
無自覚に2人の世界に入り込むジョンファンと先輩に、またイライラが募っていく私。
…ジョンファンの考えは分かってる、別に私の事考えてないわけじゃなくて、
私にはソヌが居るし家も隣だから大丈夫だろうと思ってるんだって。
でもやっぱり私の事だって心配してほしかった…
私も“友達”としてじゃなく“女の子”として扱って欲しかった。
私は1人にしてもいいの?私は心配じゃないの?なんて、どうしてもそんな風に考えてしまうから…

JF「じゃあ2人ともまた月曜に」

SN「おう、気をつけてな」

SY「今日はありがとう」

「いえ…じゃあまた今度」

“また今度”なんて社交辞令にも近い挨拶を交わし、私達は別々の方向に歩き出した

「はぁー…」

SN「デカイため息」

「だって…疲れたんだもん」

ソヌと2人になって気が抜けたのか、一気に感じる疲労感

「ねぇソヌ、私ちゃんと可愛く笑えてた?」

SN「…まぁ、笑えてたんじゃね?
　可愛くは無かったけど」

「ひとこと余計」

SN「…勝ってたんじゃねーの、自分自身に」

「そう?」

SN「…俺にはそう見えたけど」

「…ありがと」

いつもの様にソヌと2人で話してるだけなのに、何だか調子が狂う感じがしてしまうのは、
きっと歩いて帰ってるせいだ。
ソヌと2人で話すのは自転車に乗ってる時が多くて、私はいつもソヌの背中を見ながら話してた。
でも今日は歩きだからか会話をする度にソヌと目が合って、凄く調子が狂う…

「ソヌー…」

SN「ん?」

「月曜までには自転車直してよ」

SN「なんだよいきなり」

「だって歩くの疲れるじゃん」

SN「自分勝手だな」

「いいから直しといてよ」

SN「あー分かった分かった」

月曜日には、ちゃんと自転車に乗せて欲しい…
ソヌの背中を見ながらだったら、私は何でも話せてしまうから…

　