084：悪いのは誰 ページ35
JF「先輩はどこに遊びに行きたいですか!?」
SY「うーん…どこかなぁ、
皆と一緒ならどこでも楽しそうだね」
目の前で繰り広げられるジョンファンと先輩の会話、
その会話を聞きながら“私達の中に入ってこないで!!”って言葉を何度心の中で叫んだだろう。
でもそんなこと絶対に口には出来ない。
だって悪いのは私達の中に入ってくる先輩の方なのに、
その言葉を発した瞬間、きっと私が悪い奴になってしまうから…
なんて、そんな卑屈な事ばかり考えてしまう自分も嫌になるし、
先輩と一緒に居ると自分が凄く嫌な人間に思えてくる…
「…ちょっとジュース買ってくる」
私はそう言って、もうとっくに消えていた線香花火をバケツに入れて立ち上がった
SN「俺も喉渇いたから行ってくる」
JF「うん分かった」
ソヌが後ろを付いて来てるのには気づいていたけど、
一度も振り返らずに公園の外にある自動販売機へ向かった私。
一際明るい自販機の前で何があるのか眺めていると、
「俺コーラな」なんて言葉が背後から聞こえてきた
「自分で買ってよ」
SN「ちぇ…奢ってもバチ当たんないだろ」
「本当ケチだな」なんて私に文句を言いながらソヌは渋々自分でコーラを買い、
ガタンッと出て来た缶を取り出したかと思うと、「ほらっ」と振り向きざまに差し出されたコーラ
SN「戦いなんだろ」
「え?」
SN「自分との戦いなんだろ?
もう少しだから頑張れよ」
思いがけない言葉に驚きながら「ありがとう」と私は差し出された缶を受け取った
「ソヌ…私勝ってると思う?」
SN「自分自身に?」
「うん」
SN「そんなの俺に分かるかよ」
「…だよね」
ソヌは分からないかもしれないけど、実は私にも良く分からない。
勝ってるのか、負けてるのか、勝負出来てるのかすらも分からず、
グルグルと頭の中で考えを巡らせながらソヌにもらった缶を開けると
“プシュッ!!”と勢い良く噴出してきた缶の中身
「うわっっ……何これ最悪っ」
SN「クククッ」
「ちょっとソヌ!!缶ふったでしょ!!!」
SN「俺じゃないって」
「他に誰が居るのよ!!」
手元をコーラでビショビショに濡らし怒り狂う私を見ながら、腹を抱えてゲラゲラと笑うソヌ。
わざと缶を振るなんて何て事するんだとソヌの行為に腹を立てたけど、
目の前に居るソヌへの怒りのおかげで
私はいつのまにかさっきまでのモヤモヤを忘れていた…
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作者名：のん | 作成日時：2016年5月17日 21時
