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083:築いてきたもの ページ34





あんなに持ってきた花火もすぐに無くなり、残すは線香花火だけ…
ジョンファンは水を張ったバケツの中に入っている花火を見ながら
「夏もこれで終わりか…」なんて、しょんぼりと肩を落としてる




「まだ線香花火があるじゃん」




SY「そうだよジョンファン君」




「しょげてないで早くやろーぜ」とソヌが配った花火を手に持ち、
4人で輪になるようにしゃがみ込んで一斉に火をつけた私達。
そしてチリチリと火花が散るその様子を食い入る様に見つめた…




SY「綺麗だね…」




「本当に綺麗ですね…でもなんだか、
 夏が終わっちゃう感じがします…」




JF「そんな寂しい事言わないでよ」




「ははっ、ごめんごめん」




JF「あーぁ。もっと遊びたかったなぁ…」




SN「別に秋でも遊べるだろ」




JF「そうだけどぉ…」




「あっ、落ちちゃった…」




大きかった火花が小さな光となって、1番最初に落ちて行った私の線香花火。
ぽとりと落ちて火が消えた瞬間、本当に夏が終わってしまったようなそんな寂しさを感じた…




JF「じゃあさ!!また今度遊びに行こうよ!!」




「遊びに行くってどこに?」




新しい線香花火を取り出し火をつけながら私がそう言葉を返すと
「うーん…それはまだ考えてない」なんて笑うジョンファン




SN「お前はいつもそれだな」




「確かに」




JF「秋だったら風も気持ちいいし…
  ちょっと遠くに遊びに行ったりとか!?」




「うん、いいんじゃない」




JF「じゃあどこに行くか考えなきゃ、
  先輩もまた一緒に遊んでくれますよね!?」




SY「え…私もいいの?」




そう言って驚いてる先輩だけど、正直私だって驚いた。
だけど私とソヌを見ながら「もちろんです!!…ねっ?」なんて同意を求めるジョンファンを見たら“嫌だ”なんて言えそうにない…




「……私は全然…先輩さえ良ければ…」




SN「俺も別に…」




JF「ねっ!!だからまた遊びに行きましょう!!」




SY「うん、楽しみにしてる」




「……」




これからはこういう風に、どこか遊びに行く度に先輩が付いて来るんだろうか…
そう考えたら立ち眩みしそうになるくらいに感じる嫌悪感。
少しづつ…ほんの少しづつだけど確実に、
先輩が私達の中に入り込んで来るようで不安と苛立ちを感じてしまう。
ジョンファンとソヌと私、3人で築いてきた関係性の中に先輩がいとも簡単に割り込んできたように思えて、悔しくて仕方が無かった…





 

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作者名:のん | 作成日時:2016年5月17日 21時

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