言って欲しい、24 ページ29
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「…カノさん、、大丈夫かなぁ……」
私一人しかいない部屋で独り言を呟く。
起きようにも起き上がれなくって、なにかしようにも腰の怠さによってなにもかもしたくなくなってしまった。
ごろんと仰向けから横向きになると、カノさんがいつも着ているパーカーがベッドの近くにある椅子に乱雑にかけてあった。
あのパーカーをギューッと抱きしめてみたい欲に駆られた。
ので、起き上がれないのに必死に踏ん張る私。
「ふんっぬいける私ならいけるっ」
だが首と上半身が微かに浮くだけで、下半身は脚は動くものの肝心の腰が使い物にならない。
……。
…閃いた。うつ伏せで頭を後ろに下げていけば、腰を高く上に上げるという滑稽なポージングにはなるが比較的仰向けよりも起き上がりやすいかもしれない。
早速実行してみる。
さてよく考えて欲しい。
今の私の格好は上下共に下着のみである。
そんな格好で腰を高く上げてなんていたら…
そりゃもう、単なるドスケベである。
まぁ誰もいないしいいかと思いつつ、腰を高く上げた状態でズリズリとベッドの端まで移動し、体が落ちないように椅子に手を伸ばす。
「……っ、あと、、も、すこし…っ」
フードに手が届いた瞬間、取れたことに嬉しさを感じてしまい、感情が昂り、体のバランスが崩れた。
ビタッドターン!と大きな音を響かせて、私は床に落ちた。ちなみに、ビタッというのはほとんど裸に近い状態だったためになった私の肌と床との衝突音である。ドターンは勢い余って椅子をひっくり返した音である。
そして、それだけ大きな音を出せば流石に誰か来るわけで。
バターンと扉が勢いよく開かれる。
「なんすか、今の音は…大丈夫っすか!!?」
「うわぁああ…せとさっ、帰ってくださ…」
いやもう、本当に逆に凄い。
ミラクルすぎるから。
下着姿でカノさんのパーカーを抱きしめて、ひっくり返っているドスケベ野郎に見える私が、セトさんの目には映っていることだろう。
「…えっ、あっ、えっ…と
Aさん、、とりあえず起きるっすか…?」
若干顔を赤らめながらも、こんなドスケベ野郎に手を差し伸ばしてくれる。
ほんとに貴方いい人ね!!! 爽やか青年な貴方が好きよ!! 勿論、カノさんの次にね!!←
「……ぁ、りがとうございます」
とりあえず、手を借りて起き上がった。
が、腰が死んでいるためそのままへたりこんでしまった。
咄嗟にセトさんが私の背中を支えてくれた。
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ピーコ(プロフ) - 愛羽姫さん» (゚д゚)! 確か、トリップの方にもコメント頂いた方ですよね…! ありがとうございますすすすっす!!← コメント来なくて寂しかったので嬉しいです…。ファン!? そ、そんな…もう本当にありがとうございます! これからもちまちま頑張ります(笑) (2018年4月4日 1時) (レス) id: 36c7fddb64 (このIDを非表示/違反報告)
愛羽姫(プロフ) - コメント書いたつもりでいたらまだでしたああぁ!やっぱりピーコ様の作品は皆面白い…!!もう私ファンですからね…!← 応援しまくりますよもう! (2018年3月26日 19時) (レス) id: 68f98be685 (このIDを非表示/違反報告)
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作者ホームページ:なし 作成日時:2014年1月28日 22時