事件のノートは知っている

日の蔵通りの交通量問題6 ページ29

｢ここだよ！｣

ちゃんと見るのは初めて！結構、私の好きな見た目だな！夕立書店っていう名前だから、雨と夕日のイメージの看板があるんだ……！

｢2人とも！入ろ！｣

｢うん！｣

たーんたらたーたた(入店音)

伴奏だけだったけど、一瞬で気がついた！これ、『君の夢』だ！！

｢立花さん！この本、私好きなんだ！｣

｢私も、その本好きだよ。クライマックスで、まさかの展開が来るのが面白いよね！｣

｢そうなんだよね！あっ、この本好きってことは、この作者さん好きなの？｣

｢うん。好きなんだ！全作品持ってるよ。石川さんも好きなの！？｣

｢そうだよ〜。中学校に入ってから知ったんだ。ほら、道徳でこの先生の本の一文が書き抜かれてたでしょ。あの『雨はいつかやむけど晴れはずっと出なかった』(架空です)っていう文を読んだ時、感動しちゃって！それから、好きになったんだ！｣

｢あぁ！やったよね！自分が考えることを周りに説明するみたいな題材のやつね！｣

｢そうそう！それまで、道徳はあんまり真剣に取り組んでなかったんだけど、それを期に取り組むようになったの！｣

｢ヘぇ！そうなんだ……！｣

2人で好きな作者さんとかの話をしてたんだけど、黒木くんが見当たらないんだ。
石川さんもそれに気がついたみたいで、

｢黒木くんどこだろう？｣

と、言ったので2人で探したんだ。しばらくして、いなかったね。なんて話をしていると、

｢おふたりさん、いいものは見つかったかな？｣

って黒木くんが後ろからきたの！驚きすぎて、

｢うわぁ！｣

って2人とも言っちゃって……ｸｽｯ
黒木くんは、笑ってるし……。もう！

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