須藤と零との夏祭り ３ ページ8
この祭りは二日ある。土曜日と日曜日だ。
なので、昨日は須藤と行って、今日は零君と行く。
あ、ちなみに昨日のおみくじは大吉だぜ。やった！
須藤の奴は中吉だった。注意する事みたいな所に『自信家になって調子に乗らないように』ってあったのには笑った。
笑いまくってたら後ろから須藤にチョップがかまされた。
あれは少し痛かったな。
とか昨日のことを思い出しながら待っていると、零君が来た。
零「よう、、その、浴衣似合ってるよ。」
おぉ、流石ですわ。昨日の人は全く言わなかったことをさらっと言ってくれて。←
A「ありがとう。零君も、カッコいいと思うよ。」
零「！ホント？、、サンキュー。」
パッと顔明るくする零君。可愛いなぁ、、比べてあんのドSは。
零「じ、じゃあ行こうか！」
と言い、手を差し伸べてくる零君、、お手かな？←
とん、とその手の上に自分の手をのせるとぎゅっと握られた。
零君との夏祭りは、何か、ちょっとドキドキもしたけど、、気を使っちゃうって感じ。
須藤の時みたいに財布にはできないし。←
どっちかっていうと、姉弟で来てますみたいな感じになっちゃった。
最後に、一緒に花火を見た。
零「、、なぁ、今日は楽しかった？」
A「うん。楽しかったよ、ありがとう。」
なら、良かったとつぶやく彼は嬉しそうで。
零「、、A、その、、俺はお前が、好きってこと、、知ってる？」
良かったね、花火で遮られなくて。
A「、、まぁ、ね。熱烈なアプローチだったし。」
零「、、返事、聞かせてほしい。」
少しの間の沈黙。その間に上がる花火。
目線をそっちに移して、消えゆく花火を見ながらこう答えた。
A「ごめんね、零君。私は、、やっぱり、須藤が好きみたい。」
零「そっか、、だよね。うん、、じゃあ、これからもせめて友達でいてほしい。」
A「勿論！私友達少ないから嬉しい！」
そして、私は彼の前に手を差し出して、言った。
A「改めて、これからよろしくね。零君。」
微笑みかけると、やっぱり少し顔を赤くして、差し出した手を握った。
零「うん、、俺も。これからもよろしくな。」
二ッと白い歯を見せて笑う彼の顔は少し晴れやかに見えた。
そして、お互いに何かを吹っ切れたような清々しい気持ちで別れを告げたのであった。
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作者名：幸せを(ゝω・´★) | 作成日時：2020年2月11日 13時
