第十六話 ページ18
月人が現れた。
「報告……」
合金の腕が広がり
矢を防ぐ。
髪を短く切ったフォスは
学校へ歩いていった。
……………
アンタークが月に行ってからどれだけ経っただろう。
雪も溶けはじめている。
春の花も咲いている。
最近はずっと日が出ているから、ほぼ毎日月人が出る。
…といっても私のところに出たことは一度もないが。
じきに夜が明けるので、そろそろ仕事に出ようと学校を歩いていると。
裁縫道具で縫い物をするフォスと、おそらく直しが終わった衣服を着る先生がいた。
「先生 フォス」
私が声をかけると、先生が目だけでこちらを見た。
「おはよう」
「これから 仕事か」
「はい」
もう夜が明けるので、と付け足すと、フォスが窓の外を見た。
「冬から春に」
「変わるのをみるのは はじめてです」
「生き物は こんな速さで」
「変わっていくんですね」
「怖いな…」
だまって聞いていた先生がおまえもだよ、とフォスに言う。
「それは…」
「そうです… そうですね…」
私は仕事に、と二人に声をかける。
窓から光が差した。
「 怖い 」
フォスの目から涙＿否、合金が流れた。
先生が近寄り、指で掬う。
「もう 休みなさい」
「いえ」
「あと少しですから……」
フォスにあたった光が反射して
学校の床を
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翡翠(プロフ) - おうるさん» コメントありがとうございます。更新が遅くて申し訳ないです…。励みになります。 (2019年11月19日 19時) (
レス) id: 845110876f (このIDを非表示/違反報告)
おうる(プロフ) - めっっっっちゃこの作品好きです!!!!!更新頑張ってください!!(*^^*) (2019年11月19日 18時) (レス) id: 3d90f48b0e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：翡翠 | 作成日時：2019年8月14日 2時
