閉じ込めちゃいたい【乙骨憂太】

窓 ページ7

逃げ方に頭を悩ませて早3時間。



いい案が全く思いつかない。




もどかしいのが、この鎖による足の可動域だ。



かなり長めなのにも関わらず、ドアノブぎりぎりで限界が来る。



.......本当にあとちょっとなのに。





すると突然、外からわいわいとした声が聞こえてきた。



この声は.....1年生3人組かな。



今は午後だし、体術の授業でもやってるのだろうか。





「あ、」





足の可動域はかなり広い。



この距離なら窓から1年生と五条先生が見える。




これだったらあっちからも私の姿が視認できるんじゃない？





「........遠いな.......」





大きく手を振ったりして、どうにか気づいてもらおうと頑張った。



すると、走り込みをしていた虎杖くんがこっちを振り向く。





「......ん？なんかあそこに人いない？」





え、どこ？と野薔薇ちゃんたちも興味を持ち始めたように見えた。



そうだよ虎杖くん！私はここに―――！





「うわっ、！？」





途端に腕を後ろに引っ張られる。



あまりの強さに勢い余って転んでしまった。





「........ねえ」



「何してるの？」





ビリビリと耳を痛みつけるような低音。



光がなく真っ黒に染まった目。



私の体はびくっと反応して、思わず後ずさりをした。





「おっこつ、くん.......」



「休み時間になったし、なんだか気になって来てみたけど......」



「もしかして今、逃げようとした？」



「......っ、！」





どんどんと壁に追い詰められていく。



もう後がなくなって、お互いの顔が吐息のかかるほどに近づいた。





「僕言ったよね？逃げるなって」



「.....まだ分かんないのかな。逃げられないんだよAちゃんは」



「でも、「でもじゃないよ」



「周りの人も騙した。連絡先だって全部消した。

ちゃんと鎖までつけて、Aちゃんの行動できる範囲も制限した」



「もう諦めてよ。不可能なんだからさ」

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