第二話 ページ4
何時の間にか時間は過ぎ、自由研究の発表の時間となっていた。
「ーこうして子を喰らうおそろしい「妖怪」は陰陽の美剣士によって退治され、それが鎮守されたのが今の璞神社と言われています!以上」
皆が感嘆する中、Aは居眠りしていた。周りが起こそうとするが中々起きず、結局諦めて発表が進んでしまったのだ。
Aが目を覚ましたのは発表が終わり、リクオが妖怪を“良い奴発言”した所だった。
『んっ、ふぁ〜。…ん?』
まだ眠たい目を擦り、周囲のざわめきに多少の苛立ちを覚える。その中心にはリクオと清継、とその他(名前忘れた)が何やら言いあっている。
Aはこの殺伐とした状況をなんとなく察し、あまりにも不憫に思えてAはリクオを庇うように前に出た。
『別に妖怪を信じようが、信じまいが、人それぞれだと思うよ』
「えっ?」
「Aちゃん?」
色々な視線が突き刺さるように肌に感じる。
『リクオ君は妖怪を信じている。清継君は信じてない。それでも、良いと思う。人の考えは様々。けどね、勝手に自分の考えを相手に押し付けるのは良くない』
そこまで言うと流石の清継も押し黙る。と、そこで授業終了のチャイムが鳴った。
「Aちゃん!あ、ありがとう!!」
帰り際、Aは突然の感謝に目を丸くして、リクオを見た。
『…どーいたしまして』
リクオ君は気にしてないの?あんな風に妖怪を言われて。リクオの顔を見ると聞いてしまいそうになる。
「ねぇねぇ!一緒にかえろう?」
『無理』
「えっ!?なんで!?」
面白い。素直なリクオ君はすぐ顔に出てしまうから。
『私、バスに乗らないから』
徒歩。そういうとリクオは納得した表情を見せた。コロコロと変わる彼の表情に笑いが溢れた。
「あ、今笑った?笑ったよね!!」
彼といると、なんだか楽しい。そう思ってしまう程、彼の隣は居心地が良い。
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船長 - 更新楽しみにしてますね頑張ってください (2017年8月26日 8時) (レス) id: 8b9f7d7cc1 (このIDを非表示/違反報告)
船長 - 物凄い面白いです!牛鬼さんさすがです (2017年8月26日 8時) (レス) id: 8b9f7d7cc1 (このIDを非表示/違反報告)
AndyJyuri(プロフ) - 楽しく読ませていただいてます。一つだけ、18話で「か、神々しい」とありますが、読み方は、こうごうしいです。w (2017年6月17日 23時) (レス) id: d783bc4e9d (このIDを非表示/違反報告)
彗星(プロフ) - ありがとうございます。これからも更新できるだけ頑張っていくので、応援よろしくお願いします。 (2017年4月4日 20時) (レス) id: a61fc50fe1 (このIDを非表示/違反報告)
鈴 - とても良かったです。更新頑張ってください! (2017年4月4日 19時) (レス) id: 68c28fd3de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:彗星 | 作成日時:2016年12月25日 14時