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第十八話 ページ24

『何から何までありがとう』

「陰陽師として当然のことしたまでやし、お礼なんて…。というかあんた私が陰陽師いうても驚かんのやな。清十字なんとかって人らはかなり驚いとったのに」





なんでや。興味深々といった具合に顔をグイッと近づけ聞いてくるゆらにAは多少身じろぎながらも答えた。


(花開院さん、敬語が抜けてきたなぁ)


ふと、些細なことに気付いたA。





『んー、他の人とは纏う雰囲気というか。なんだか神々しいからかな』

「こ、神々しい…?私が?」





予想外の答えに今度はゆらが困惑した。Aはそんなゆらの様子を気にせず、言葉を続けた。





『うん。花開院さんの周りはきらきら輝いているから、……なんとなくそうかなって』

「……可笑しな人やな一之瀬さんは。初めてやそないな事言われたの」





照れ臭そうに笑う彼女は他の人とは少し違うけれど、年相応に笑う姿はやっぱり一人の女の子だと、Aは思った。


ゆらは思った。何故目には見えないはずの人間の気を見ることが出来るのかと。彼女は他者とは何か違う力を持っているのかと。疑問を持つには十分な判断材料が揃っていた。彼女は普通の人間とは違った存在なのではないのか。疑問が疑問を呼び、次々と浮上してくるそれ。

ゆらは一応、一之瀬Aという人間を本家に知らせればそれで良いだろうと判断し、あえて聞かなかった。

ゆらのそんな葛藤を露知らず、Aは百面相になっていく表情に思わず顔を緩めた。





「私最近こっち来たばっかやし。分からんことばっかやから。一之瀬さんはさえ良ければ、教えてくれへんやろか?あ、嫌なら無理にとは言わんから」





気恥ずかしいのかほんのりと頬を赤く染め目を忙しなく動かすゆらにAは微笑ましい気持ちになった。





『よろしくね、“ゆら”』

「よ…よろしくな、“A”」

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船長 - 更新楽しみにしてますね頑張ってください (2017年8月26日 8時) (レス) id: 8b9f7d7cc1 (このIDを非表示/違反報告)
船長 - 物凄い面白いです!牛鬼さんさすがです (2017年8月26日 8時) (レス) id: 8b9f7d7cc1 (このIDを非表示/違反報告)
AndyJyuri(プロフ) - 楽しく読ませていただいてます。一つだけ、18話で「か、神々しい」とありますが、読み方は、こうごうしいです。w (2017年6月17日 23時) (レス) id: d783bc4e9d (このIDを非表示/違反報告)
彗星(プロフ) - ありがとうございます。これからも更新できるだけ頑張っていくので、応援よろしくお願いします。 (2017年4月4日 20時) (レス) id: a61fc50fe1 (このIDを非表示/違反報告)
- とても良かったです。更新頑張ってください! (2017年4月4日 19時) (レス) id: 68c28fd3de (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:彗星 | 作成日時:2016年12月25日 14時

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