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第十七話 ページ23

目を覚ますとまず目に入ったのが天井だった。そこで自分が今寝かされている事にいち早く気が付いた。


(昨日はどうなったんだっけ…)


『確か…呪いの人形を見て…』


(倒れたんだ私。あんまり記憶にないけど…)


瞼をそっと閉じる。頭の中で情報を整理していくにつれ、断片的な映像が脳裏に流されてくる。徐々に鮮明に思い出されていく記憶。散々な目に遭った。と内心苦笑いを浮かべた。

今の現状を把握するためAは身体の気怠さを感じつつ起き上がった。


(おじいちゃんとおばあちゃんの家だ)


ここは見慣れた自分の部屋だった場所。何も変わってはいなかった。部屋全体を見渡すが誰もいない。ただ、シーンと静寂に包まれていた。

その光景が“あの日”のことを連想させた。

何もかも奪われたあの日。


(ーーああ。独りだ)


ひとりばっち。あの頃と同じ。

まだ幼かった子供の親の温もりを奪われ、一人孤独に耐える日々。

頼る大人さえいない中、人前では苦の表情を見せず、皆が寝静まった頃に夜な夜な涙を流していたあの頃。


Aは無意識に誰かを探した。自分はもう独りではないと思考を向けさせる為に。

今まで出逢った温かい人達の一人一人の顔を脳裏に浮かべながら。

布団から出て外に行こうと障子に手を掛けたその時、障子が自ら横に開いた。思わぬ事にAは手を引っ込め、目の前の人物を食い入るように見つめた。





『花開院、さん?』


(なんで花開院さんが…)


Aは目を見張った。話したこともない彼女が何故ここにいるのだろうかと。困惑するAに彼女はお構い無しに話しかけてきた。





「起きたんやな。安心したわ」





ゆらはにっこりと笑った。その笑みにAはキョトンと呆気にとられた。





「本当に驚いたんやで。急に倒れはるし」

『…ごめんなさい?』


(なんで謝ってんだろ私…)


倒れたのも不可抗力ではないのか。単に私の体質が悪いのだろうか。思わず考え込むA。




「まあ。そんなことより、なんで私がここにおるかやけど、」


(そんなこと…)


ゆらは話していく。昨日の出来事を。何が起こったのか。何故自分がここに居るのか。

私が倒れた後、人形が人を襲い陰陽師である花開院さんが滅したこと。

妖怪の邪気にあてられた私の対処は花開院さんが専門的にも適切だったため、祖父母の家が近くそこで面倒を見てくれていることなどなど。

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船長 - 更新楽しみにしてますね頑張ってください (2017年8月26日 8時) (レス) id: 8b9f7d7cc1 (このIDを非表示/違反報告)
船長 - 物凄い面白いです!牛鬼さんさすがです (2017年8月26日 8時) (レス) id: 8b9f7d7cc1 (このIDを非表示/違反報告)
AndyJyuri(プロフ) - 楽しく読ませていただいてます。一つだけ、18話で「か、神々しい」とありますが、読み方は、こうごうしいです。w (2017年6月17日 23時) (レス) id: d783bc4e9d (このIDを非表示/違反報告)
彗星(プロフ) - ありがとうございます。これからも更新できるだけ頑張っていくので、応援よろしくお願いします。 (2017年4月4日 20時) (レス) id: a61fc50fe1 (このIDを非表示/違反報告)
- とても良かったです。更新頑張ってください! (2017年4月4日 19時) (レス) id: 68c28fd3de (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:彗星 | 作成日時:2016年12月25日 14時

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